憲法 第410問
教材: 憲法③
司法試験 H21 第17問
論点: 公金支出と公の支配
問題
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ア a.「公の支配」とは、国又は地方公共団体がその事業の根本的な方向に重大な影響を及ぼし得るような権力を有することをいう。
b.この見解は、私学の自主性確保を重視するものであるが、現行法の私学助成が違憲となり現実的ではない上、「公の支配」に属する教育事業に公金を支出することを禁じていない憲法第89条後段と矛盾する。
イ a.「公の支配」に属する事業とは、国家の支配の下に特に法的その他の規律を受けている事業をいう。
b.この見解は、私学助成の現実的な必要性から、「公の支配」の要件を緩和するものであり、憲法第89条後段を空文化してしまう。
ウ a.「公の支配」の解釈は、憲法第14条、第23条、第25条、第26条など他の憲法条項との体系的解釈によるべきである。
b.この見解は、現行法の私学助成を合憲とするものであるが、体系的解釈によっては学校法人への助成を正当化することにはならない。
公式解答
211
正誤・解説
a /
「公の支配」とは、国又は地方公共団体がその事業の根本的な方向に重大な影響を及ぼし得るような権力を有することをいう。
「公の支配」は、国・地方公共団体が事業の根本的方向に重大な影響を及ぼし得る権力を有するという趣旨まではとらず、設問のような理解は採られていない。
根拠条文:日本国憲法89条・e-Govで法令を開く
日本国憲法89条―現行条文本文
第八十九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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b /
この見解は、私学の自主性確保を重視するものであるが、現行法の私学助成が違憲となり現実的ではない上、「公の支配」に属する教育事業に公金を支出することを禁じていない憲法第89条後段と矛盾する。
この批判は、私学の自主性重視という理解でも私学助成は違憲とは限らず、また89条後段は「公の支配」に属する教育事業への公金支出を禁止していないので、批判として成り立つ。
根拠条文:日本国憲法89条・e-Govで法令を開く
日本国憲法89条―現行条文本文
第八十九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
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c /
「公の支配」に属する事業とは、国家の支配の下に特に法的その他の規律を受けている事業をいう。
「公の支配」を、国家の支配の下で特に法的その他の規律を受ける事業とみる見解は、私学助成との関係でも用いられる。
d /
この見解は、私学助成の現実的な必要性から、「公の支配」の要件を緩和するものであり、憲法第89条後段を空文化してしまう。
この批判は、要件を緩和しすぎると89条後段の規範内容が薄れ、公の支配の限定機能が失われるという趣旨で、批判として成り立つ。
根拠条文:日本国憲法89条・e-Govで法令を開く
日本国憲法89条―現行条文本文
第八十九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
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e /
「公の支配」の解釈は、憲法第14条、第23条、第25条、第26条など他の憲法条項との体系的解釈によるべきである。
89条後段は他の人権規定との関係も踏まえて体系的に解釈すべきであり、この見解は採り得る。
根拠条文:日本国憲法14条・e-Govで法令を開く日本国憲法23条・e-Govで法令を開く日本国憲法25条・e-Govで法令を開く日本国憲法26条・e-Govで法令を開く
日本国憲法14条―現行条文本文
第十四条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。
栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
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日本国憲法23条―現行条文本文
第二十三条
学問の自由は、これを保障する。
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日本国憲法25条―現行条文本文
第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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日本国憲法26条―現行条文本文
第二十六条
すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。
義務教育は、これを無償とする。
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f /
この見解は、現行法の私学助成を合憲とするものであるが、体系的解釈によっては学校法人への助成を正当化することにはならない。
体系的解釈を採る見解でも、私学助成を直ちに正当化しないわけではなく、設問の批判は当たりにくい。
全体要旨
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