憲法 第315問
教材: 憲法③
司法試験 R03 第14問
論点: 国会議員の免責特権
問題
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国会議員の免責特権に関する次のアからウまでの各記述について、最高裁判所の判決(最高裁判所平成9年9月9日第三小法廷判決、民集51巻8号3850頁)の趣旨に照らし、正しいものには○、誤っているものには×を付した場合の組合せを、後記1から8までの中から選びなさい。
ア.国会議員は、議院で行った演説、討論又は表決又は法案に付記して、国会における意思の表明とみられる行為や、職務行為に付随する行為に関しては、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないから、国会議員の上記の行為そのものが国家賠償法上の違法の評価を受けることはない。
イ.国会議員が、立法、条約締結の承認、財政の監督等の審議や国政に関する調査の過程で行う質疑等は、多数決原理により国家意思を形成する行為そのものではなく、国家意思の形成に向けられた行為であり、質疑等の内容が個別の国民の権利等に直接関わることも起こり得るので、質疑等において個人の権利を侵害した国会議員は、当該個人に対して損害賠償責任を負う。
ウ.国会議員が、質疑等において、職務と無関係に違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、あえて虚偽の事実を摘示して、個別の国民の名誉を毀損したと認められる特別の事情がある場合には、国家賠償法第1条第1項に基づいて、国に賠償を求めることができることもある。
公式解答
7. ア× イ× ウ○
正誤・解説
ア /
国会議員は、議院で行った演説、討論又は表決又は法案に付記して、国会における意思の表明とみられる行為や、職務行為に付随する行為に関しては、国民全体に対する関係で政治的責任を負うにとどまり、個別の国民の権利に対応した関係での法的義務を負うものではないから、国会議員の上記の行為そのものが国家賠償法上の違法の評価を受けることはない。
判例は、国会での質疑等が直ちに国家賠償法上違法となるわけではないとしつつも、議員の職務上の法的義務違反がある場合には例外的に責任が問題となり得るとしている。設問は「上記の行為そのものが違法評価を受けることはない」と一般化しすぎており、判例の趣旨と合わない。
根拠条文:国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法51条・e-Govで法令を開く
国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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日本国憲法51条―現行条文本文
第五十一条
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
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イ /
国会議員が、立法、条約締結の承認、財政の監督等の審議や国政に関する調査の過程で行う質疑等は、多数決原理により国家意思を形成する行為そのものではなく、国家意思の形成に向けられた行為であり、質疑等の内容が個別の国民の権利等に直接関わることも起こり得るので、質疑等において個人の権利を侵害した国会議員は、当該個人に対して損害賠償責任を負う。
判例は、質疑等は国家意思形成そのものではなく国政に関する広い審議活動であり、内容が個別の権利に触れても直ちに議員個人の賠償責任は生じないとしている。責任が認められるには、職務と無関係な違法・不当目的や虚偽摘示など特別の事情が必要である。
根拠条文:国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く
国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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ウ /
国会議員が、質疑等において、職務と無関係に違法又は不当な目的をもって事実を摘示し、あるいは、あえて虚偽の事実を摘示して、個別の国民の名誉を毀損したと認められる特別の事情がある場合には、国家賠償法第1条第1項に基づいて、国に賠償を求めることができることもある。
判例は、議員が質疑等の権限の趣旨に明らかに背いて、違法・不当な目的で事実を摘示したり、虚偽と知りつつ摘示したりするなど、特別の事情がある場合には、国家賠償法1条1項に基づく国の賠償責任を肯定し得るとしている。
根拠条文:国家賠償法1条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法51条・e-Govで法令を開く
国家賠償法1条第1項―現行条文本文
国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
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日本国憲法51条―現行条文本文
第五十一条
両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。
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