憲法 第278問
教材: 憲法②
司法試験 R05 第8問
論点: 労働基本権
問題
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ア.ユニオン・ショップ協定とは、労働協約において、使用者が従業員のうち労働組合に加入しない者及び労働組合の組合員でなくなった者を解雇する義務を負う定めを置くことをいうが、ユニオン・ショップ協定において、使用者が同協定を締結した組合以外の他の労働組合に加入している者を解雇する義務を負う定めを置くことは、憲法第28条が保障する労働者の組合選択の自由及び他の労働組合の団結権を侵害するため許されない。
イ.労働組合は、憲法第28条が団結権を保障する効果として、組合員に対する統制権を有するから、労働組合が、地方議会議員の選挙に当たり、統一候補を決定して組合を挙げて選挙運動を推進している場合に、組合の方針に反して立候補しようとする組合員に対し、立候補の取りやめを要求し、これに従わないことを統制違反として処分することは許される。
ウ.憲法第28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、国家公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることなどからすれば、法律により国家公務員の争議行為を禁止することは、労働者を含む国民全体の共同利益の見地からするとやむを得ない制約というべきであって、憲法第28条に違反しない。
公式解答
ア1 / イ2 / ウ1
正誤・解説
p1 /
ユニオン・ショップ協定において、使用者が同協定を締結した組合以外の他の労働組合に加入している者を解雇する義務を負う定めを置くことは、憲法第28条が保障する労働者の組合選択の自由及び他の労働組合の団結権を侵害するため許されない。
最判平成12年12月14日は、ユニオン・ショップ協定に基づく解雇義務は、締結組合以外の組合に加入している者にも及ばないとした。したがって、他組合加入者を解雇対象にする定めは許されない。
p2 /
労働組合が、地方議会議員の選挙に当たり、統一候補を決定して組合を挙げて選挙運動を推進している場合に、組合の方針に反して立候補しようとする組合員に対し、立候補の取りやめを要求し、これに従わないことを統制違反として処分することは許される。
最大判昭和43年12月4日は、組合が政治活動を進める場合でも、立候補の自由を超えて組合員に立候補取りやめを強制し、従わないことを理由に処分することは、統制権の限界を超えるとしている。
p3 /
憲法第28条の労働基本権の保障は公務員に対しても及ぶが、国家公務員の従事する職務には公共性がある一方、法律によりその主要な勤務条件が定められ、身分が保障されているほか、適切な代償措置が講じられていることなどからすれば、法律により国家公務員の争議行為を禁止することは、労働者を含む国民全体の共同利益の見地からするとやむを得ない制約というべきであって、憲法第28条に違反しない。
最大判昭和48年4月25日は、公務員にも労働基本権は及ぶが、国家公務員の争議行為禁止は公共性や代償措置等を踏まえればやむを得ない制約として合憲とした。
全体要旨
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