憲法 第252問
教材: 憲法②
司法試験 H19 第10問
論点: 生存権
問題
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ア 憲法第25条第2項は事前の積極的防貧施策をなすべき国の努力義務を定め、第1項は第2項の防貧施策の実施にかかわらずなお落ちこぼれた者に対し、「最低限度の生活」を確保するため事後的救貧施策をなすべき国の責務を定めている。したがって、第1項にかかわる生活保護の受給資格等が争われる事案は、国民年金法による障害福祉年金の受給制限が争われる第2項に関する事案よりも厳格な司法審査が行われる。
イ 憲法上の人権規定の趣旨を具体化する立法が不備な場合に、国民が直接憲法に基づいて具体的な請求をなし得るかどうかは、人権規定により異なる。法律に補償に関する規定が欠けていても直接憲法第29条第3項を根拠にして損失補償請求権が認められることがあるのに対し、生存権の場合は、憲法第25条は個々の国民に対し具体的権利を付与していないから、直接条文に基づき具体的給付請求をすることはできない。
ウ 憲法第25条の趣旨を立法により実現することについては、多方面にわたる複雑多様な、しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づく政策的判断を必要とする。したがって、憲法第25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられるが、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合には裁判所が審査判断するのに適しない事柄である。
公式解答
5. ア× イ○ ウ○
正誤・解説
ア /
憲法第25条第2項は事前の積極的防貧施策をなすべき国の努力義務を定め、第1項は第2項の防貧施策の実施にかかわらずなお落ちこぼれた者に対し、「最低限度の生活」を確保するため事後的救貧施策をなすべき国の責務を定めている。したがって、第1項にかかわる生活保護の受給資格等が争われる事案は、国民年金法による障害福祉年金の受給制限が争われる第2項に関する事案よりも厳格な司法審査が行われる。
判例は、25条1項・2項とも国の努力義務・政策目標としての性格が強いとし、1項が2項より厳格に審査されるとはしていない。生活保護受給資格の争いでも、立法府の広い裁量が前提となる。
根拠条文:日本国憲法25条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法25条第2項・e-Govで法令を開く日本国憲法25条・e-Govで法令を開く
日本国憲法25条第1項―現行条文本文
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
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日本国憲法25条第2項―現行条文本文
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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日本国憲法25条―現行条文本文
第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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イ /
憲法上の人権規定の趣旨を具体化する立法が不備な場合に、国民が直接憲法に基づいて具体的な請求をなし得るかどうかは、人権規定により異なる。法律に補償に関する規定が欠けていても直接憲法第29条第3項を根拠にして損失補償請求権が認められることがあるのに対し、生存権の場合は、憲法第25条は個々の国民に対し具体的権利を付与していないから、直接条文に基づき具体的給付請求をすることはできない。
判例は、25条は国民に直接の具体的権利を与えるものではなく、抽象的規定とする。他方、29条3項については、補償規定がなくても直接に損失補償請求権を認めた例がある。
根拠条文:日本国憲法25条第1項・e-Govで法令を開く日本国憲法25条第2項・e-Govで法令を開く日本国憲法29条第3項・e-Govで法令を開く日本国憲法25条・e-Govで法令を開く
日本国憲法25条第1項―現行条文本文
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
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日本国憲法25条第2項―現行条文本文
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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日本国憲法29条第3項―現行条文本文
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
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第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
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ウ /
憲法第25条の趣旨を立法により実現することについては、多方面にわたる複雑多様な、しかも高度の専門技術的な考察とそれに基づく政策的判断を必要とする。したがって、憲法第25条の規定の趣旨にこたえて具体的にどのような立法措置を講ずるかの選択決定は、立法府の広い裁量に委ねられるが、それが著しく合理性を欠き明らかに裁量の逸脱・濫用と見ざるを得ないような場合には裁判所が審査判断するのに適しない事柄である。
判例は、25条の具体化は高度の専門技術的・政策的判断を要し、立法府に広い裁量があるとする。ただし、著しく合理性を欠く場合には裁判所の審査対象となりうる。
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日本国憲法25条第1項―現行条文本文
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
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第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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