憲法 第234問
教材: 憲法②
司法試験 H24 第9問
論点: 被告人の権利
問題
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ア いわゆるビデオリンク方式を採用することによって被告人は自ら尋問することができないが、それは証人が受ける精神的圧迫を回避するためであり、弁護人は尋問できるのであるから、被告人の証人審問権を侵害しているとはいえない。
イ 即決裁判手続は、争いがなく明白かつ軽微な事件について、簡易かつ迅速に公判の審理及び裁判を行うことにより、手続の合理化や効率化を図るものであり、一般の事件と異なる上訴制限を定めることに合理的理由があるから、裁判を受ける権利を侵害しているとはいえない。
ウ ある事件の刑事確定訴訟記録の閲覧請求に対し、刑事確定訴訟記録法の条項に基づいて不許可としても、憲法第21条、第82条の規定は刑事確定訴訟記録の閲覧を権利として要求できることまで認めたものではないから、憲法には違反しない。
公式解答
5. ア× イ○ ウ○
正誤・解説
ア /
いわゆるビデオリンク方式を採用することによって被告人は自ら尋問することができないが、それは証人が受ける精神的圧迫を回避するためであり、弁護人は尋問できるのであるから、被告人の証人審問権を侵害しているとはいえない。
説明では、ビデオリンク方式でも被告人は映像・音声を通じて証人の様子を見ながら供述を聞き、自ら尋問でき、弁護人の観察も妨げられないため、証人審問権侵害とはいえないとしている。設問は「自ら尋問できない」とする点が判例趣旨に反する。
根拠条文:日本国憲法37条第2項・e-Govで法令を開く刑事訴訟法157条の4・e-Govで法令を開く
日本国憲法37条第2項―現行条文本文
刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
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刑事訴訟法157条の4―現行条文本文
第百五十七条の四
裁判所は、証人を尋問する場合において、証人の年齢、心身の状態その他の事情を考慮し、証人が著しく不安又は緊張を覚えるおそれがあると認めるときは、検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴き、その不安又は緊張を緩和するのに適当であり、かつ、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるおそれがないと認める者を、その証人の供述中、証人に付き添わせることができる。
前項の規定により証人に付き添うこととされた者は、その証人の供述中、裁判官若しくは訴訟関係人の尋問若しくは証人の供述を妨げ、又はその供述の内容に不当な影響を与えるような言動をしてはならない。
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イ /
即決裁判手続は、争いがなく明白かつ軽微な事件について、簡易かつ迅速に公判の審理及び裁判を行うことにより、手続の合理化や効率化を図るものであり、一般の事件と異なる上訴制限を定めることに合理的理由があるから、裁判を受ける権利を侵害しているとはいえない。
説明では、即決裁判手続は迅速・簡易な審理と引換えに上訴制限等を設けるが、被告人の自由意思による選択と弁護人の助言機会が保障されており、上訴制限にも合理的理由があるとしている。
根拠条文:日本国憲法32条・e-Govで法令を開く刑事訴訟法403条の2第1項・e-Govで法令を開く
日本国憲法32条―現行条文本文
第三十二条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
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刑事訴訟法403条の2第1項―現行条文本文
即決裁判手続においてされた判決に対する控訴の申立ては、第三百八十四条の規定にかかわらず、当該判決の言渡しにおいて示された罪となるべき事実について第三百八十二条に規定する事由があることを理由としては、これをすることができない。
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ウ /
ある事件の刑事確定訴訟記録の閲覧請求に対し、刑事確定訴訟記録法の条項に基づいて不許可としても、憲法第21条、第82条の規定は刑事確定訴訟記録の閲覧を権利として要求できることまで認めたものではないから、憲法には違反しない。
説明では、憲法21条・82条は刑事確定訴訟記録の閲覧を当然に権利として保障するものではなく、不許可処分が直ちに違憲になるわけではないとしている。
根拠条文:日本国憲法21条・e-Govで法令を開く日本国憲法82条・e-Govで法令を開く日本国憲法4条第2項・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条―現行条文本文
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。
通信の秘密は、これを侵してはならない。
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日本国憲法82条―現行条文本文
第八十二条
裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。
但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第三章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
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日本国憲法4条第2項―現行条文本文
天皇は、法律の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。
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全体要旨
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