憲法 第183問
教材: 憲法②
司法試験 H19 第7問
論点: 泉佐野市民会館事件判決
問題
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集会の用に供される公共施設の管理者は、施設をその集会のために利用させることによって、他の基本的人権が侵害され、公共の福祉が損なわれる危険がある場合には、その利用を拒否することができる。そして、制限が必要かつ合理的なものとして肯定されるかどうかは、基本的には、基本的自由としての集会の自由の重要性と、当該集会が開かれることによって侵害されることのある他の基本的人権の内容や侵害の発生の危険性の程度等を較量して決せられるべきものである。ただし、(a)この較量をするに当たっては、集会の自由の制約は、基本的人権のうち精神的自由を制約するものであるから、経済的自由の制約における以上に厳格な基準の下になされなければならない。それゆえ、本件会館条例が会館の使用を許可してはならない事由として規定している「公の秩序をみだすおそれがある場合」とは、広義の表現を採っているとはいえ、本件会館における集会の自由を保障することの重要性よりも、本件会館で集会が開かれることによって、人の生命、身体又は財産が侵害され、公共の安全が損なわれる危険を回避し、防止することの必要性が優越する場合をいうものと限定して解すべきであり、その危険性の程度としては、単に危険な事態を生ずる蓋然性があるというだけでは足りず、明らかな差し迫った危険の発生が具体的に予見されることが必要であると解するのが相当である。(b)このように限定して解する限り、当該規制は、他の基本的人権に対する侵害を回避し、防止するために必要かつ合理的なものとして、憲法第21条に違反するものではない。
公式解答
正解 / 33
正誤・解説
p1 /
1.経済的自由は、精神的自由と同様に、自己実現によって不可欠であるだけでなく、人間生活の基盤をなす重要なものである。
解説では、この記述は判旨のとおりとして「明らかに×とはいえない」とされている。経済的自由は自己実現の面だけでなく、生活基盤としての重要性も認められる。
根拠条文:日本国憲法21条・e-Govで法令を開く日本国憲法12条・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条―現行条文本文
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。
通信の秘密は、これを侵してはならない。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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日本国憲法12条―現行条文本文
第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
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p2 /
2.精神的自由といえども、これを保障するためには殺人や傷害といった犯罪行為を取り締まる法制度が必要であるから、経済的自由と性格が異なるものではない。
解説では、この記述も本肢記載のとおりとして「明らかに×とはいえない」とされている。精神的自由も無制約ではなく、他者の生命・身体等を守るための法制度との関係で調整される。
p3 /
3.精神的自由は民主主義過程の維持保全にとって不可欠な権利であるだけでなく、自己実現にも役立つ。
解説では、この記述は「明らかに×」とされている。精神的自由は民主主義過程の維持保全にとって不可欠であるうえ自己実現にも資するが、本肢は「だけでなく」の用法が不適切で、判旨の趣旨と一致しない。
根拠条文:日本国憲法21条・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条―現行条文本文
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。
通信の秘密は、これを侵してはならない。
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p4 /
1.「主要食糧の政府に対する売渡を為さざることを煽動した者」を処罰する食糧緊急措置令の規定が憲法第21条に違反しないとした判決。
解説では、泉佐野市民会館事件判決と同じ法的解釈ではないとしている。食糧緊急措置令の事件は、表現行為の危険性を広く見て違憲でないとしたものではない。
p5 /
2.「選挙に関し、投票を得若しくは得しめ又は得しめない目的をもって戸別訪問をすること」を処罰する公職選挙法の規定が憲法第21条に違反しないとした判決。
解説では、戸別訪問禁止の判決は目的は正当でも、禁止が得られる利益が失われる利益より大きいとして合憲としたのであり、本件と同じ合憲限定解釈の方法ではないとされている。
p6 /
3.「風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品」を輸入禁止品として掲げる関税定率法の規定が憲法第21条に違反しないとした判決。
解説では、風俗の意味を限定的に解し、輸入禁止の対象を性的風俗に限るなどして合憲とした判決として、本件と同じ合憲限定解釈の方法をとるとされている。
根拠条文:日本国憲法21条・e-Govで法令を開く
日本国憲法21条―現行条文本文
第二十一条
集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
検閲は、これをしてはならない。
通信の秘密は、これを侵してはならない。
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全体要旨
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