憲法 第124問
教材: 憲法①
司法試験 H21 第5問
論点: 「君が代」ピアノ伴奏拒否事件
問題
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市立小学校の校長が音楽専科の教諭に対し、入学式における国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏を行うよう命じた職務命令から、憲法第19条に違反しないとした最高裁判所の判決(最高裁判所平成19年2月27日第三小法廷判決、民集61巻1号291頁)
公式解答
7. ア× イ× ウ○
正誤・解説
ア /
この判決は、校長の職務命令が、「君が代」について当該教諭が有する歴史観ないし世界観それ自体を直接否定するものであることを認めつつも、公務員は全体の奉仕者であって、思想・良心の自由も職務の公共性に由来する内在的制約を受けるから、上記職務命令が当該教諭の思想・良心の自由を制約するものであっても受忍すべきであるとした。
判決は、国歌斉唱時のピアノ伴奏命令が教諭の歴史観・世界観に反する面を認めつつ、公務員としての職務の公共性から内在的制約を受けるとして、直ちに憲法19条違反とはしないとした。
根拠条文:日本国憲法19条・e-Govで法令を開く日本国憲法15条第2項・e-Govで法令を開く日本国憲法30条・e-Govで法令を開く日本国憲法32条・e-Govで法令を開く日本国憲法18条第2号・e-Govで法令を開く日本国憲法20条・e-Govで法令を開く日本国憲法25条・e-Govで法令を開く
日本国憲法19条―現行条文本文
第十九条
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
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日本国憲法15条第2項―現行条文本文
すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
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日本国憲法30条―現行条文本文
第三十条
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
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日本国憲法32条―現行条文本文
第三十二条
何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
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日本国憲法18条第2号―現行条文本文
第十八条
何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。
又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。
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日本国憲法20条―現行条文本文
第二十条
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。
いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
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日本国憲法25条―現行条文本文
第二十五条
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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イ /
この判決は、「君が代」のピアノ伴奏の強制により制約される当該教諭の思想・良心の自由と、「君が代」の伴奏が録音テープで行われることによって損なわれる入学式進行の秩序・規律とを、具体的に比較衡量した上で、「君が代」をピアノ伴奏することによる違和感は看過し難いから、校長の職務命令が不合理とはいえないとした。
判決は、録音テープ使用で失われる秩序・規律と個人の思想・良心の自由を具体的に比較衡量したのではなく、職務命令の目的・内容から不合理性がないかを判断している。
根拠条文:日本国憲法19条・e-Govで法令を開く日本国憲法30条・e-Govで法令を開く日本国憲法12条・e-Govで法令を開く
日本国憲法19条―現行条文本文
第十九条
思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。
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日本国憲法30条―現行条文本文
第三十条
国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。
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日本国憲法12条―現行条文本文
第十二条
この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。
又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
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ウ /
この判決は、入学式の国歌斉唱の際に「君が代」のピアノ伴奏をする行為は、音楽専科の教諭にとって通常想定され期待されるものであり、当該教諭が特定の思想を有するということを外部に表明する行為と評価することは困難であるから、校長の職務命令は当該教諭に対し特定の思想を持つことを強制したり禁止したりするものではないとした。
判決は、入学式でのピアノ伴奏は客観的に通常想定される行為で、特定の思想の有無を外部に表明する行為とはいえず、特定の思想の保持を強制・禁止するものでもないとした。
根拠条文:同条・e-Govを開く
全体要旨
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