憲法 第85問
教材: 憲法①
司法試験 R01 第2問
論点: 私人間における人権保障
問題
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公式解答
121
正誤・解説
ア /
「憲法の人権規定は、私人間においても直接適用される」とする説のうち、私的自治の原則により、人権の効力は私人相互間の場合にはその本質的な核心が侵されない限度で相対化されることを認める見解は、こうした相対化を認める限度において、直接適用説といっても間接適用説に類似したものになる。
本肢は正しい。説明文ではアを「○ 本肢記載のとおりである。」としている。私人間効力を直接適用説で捉えつつ、私的自治により一定の相対化を認める見解は、結果として間接適用説に近いと整理されている。
イ /
「憲法の人権規定は、公権力の統治行動に対して個人の基本的自由と平等を保障する目的に出たもので、私人相互の関係を直接規律することを予定するものではない」とする説を前提にすると、私人間における権利・自由の対立については、その侵害の態様、程度が社会的に許容し得る一定の限界を超える場合に、私法規定の解釈を通じてその間の適切な調整を図ることができるとの見解は採り得ない。
本肢は誤り。説明文では、直接適用を否定する立場でも、民法1条・90条や不法行為規定の解釈適用によって、私的自治を尊重しつつ社会的許容限度を超える侵害を調整できるとしている。
ウ /
「私人間の関係においても、相互の社会的力関係の相違から、一方が他方に優越し、事実上後者が前者の意思に服従せざるをえない場合があり、このような場合に私的自治の名の下に優位者の支配力を無制限に認めるときは、劣位者の自由や平等を著しく侵害または制限することとなるおそれがある」とする説について、判例は、こうした支配関係はその支配力の態様、程度、規模等において様々であり、どのような場合にこれを国又は公共団体の支配と同視すべきかの判定が困難であるとしている。
本肢は正しい。説明文の判例は、私人間でも支配関係が多様で、国や公共団体の支配と同視できるかの判断が困難だとしている。したがって、私的自治の下で支配力を無制限に認めることの問題点を指摘する理解でよい。
全体要旨
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