憲法 第65問
教材: 憲法①
司法試験 H20 第3問
論点: 公共の福祉
問題
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公式解答
ア1 / イ1 / ウ1
正誤・解説
A /
憲法第13条の「公共の福祉」は、人権の外にあって、すべての人権を制約する一般的な原理であり、憲法第22条、第29条が特に「公共の福祉」を掲げたのは、特別な意味を有しないという見解がある。しかし、このような見解では、「公共の福祉」が極めて抽象的な概念であるだけに、人権制限が容易に肯定されるおそれが生じ、ひいては「公共の福祉」が明治憲法の法律の留保のような機能を実質的に果たすおそれがある。
設問文の内容は正しい。公共の福祉を人権外在の一般原理とみると、抽象性ゆえに人権制限が広く認められやすくなり、実質的に法律の留保に近づくという問題意識を示している。
根拠条文:日本国憲法13条・e-Govで法令を開く日本国憲法22条・e-Govで法令を開く日本国憲法29条・e-Govで法令を開く
日本国憲法13条―現行条文本文
第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
日本国憲法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:52)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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日本国憲法22条―現行条文本文
第二十二条
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
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日本国憲法29条―現行条文本文
第二十九条
財産権は、これを侵してはならない。
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
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B /
「公共の福祉」によって制約される人権は経済的自由権と社会権に限られ、その他の権利・自由には内在的制約が存在するにとどまり、憲法第13条は公共の福祉に反しない限り個人に権利・自由を尊重しなければならないという、言いは国家の心構えを表明したものであるという見解がある。しかし、このような同条の法規範性を否定する見解は、プライバシー権などの「新しい人権」を憲法上の人権として基礎付ける根拠を失わせる。
設問文の内容は正しい。公共の福祉を経済的自由権・社会権に限る考え方や、13条を国家の心構えにとどめる見解には、法規範性を弱めて新しい人権の根拠を失わせる問題がある。
根拠条文:日本国憲法13条・e-Govで法令を開く
日本国憲法13条―現行条文本文
第十三条
すべて国民は、個人として尊重される。
生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
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C /
すべての人権に論理必然的に内在する「公共の福祉」は、人権相互間に生じる矛盾・衝突の調節を図るための実質的公平の原理であり、例えば、社会権を実質的に保障するために自由権を制約する場合には必要な限度の規制が認められるという見解がある。しかし、この見解では、憲法第22条、第29条の「公共の福祉」が国の経済的・社会的政策という意味でとらえることになり、広汎な裁量論の下で経済的自由権と社会権の保護が不十分になるおそれがある。
設問文の内容は正しい。公共の福祉を人権相互の調整原理とみる見解は、社会権保障のための自由権制約を説明する一方、22条・29条の公共の福祉を国の経済社会政策と結び付けて広い裁量を招く問題がある。
根拠条文:日本国憲法22条・e-Govで法令を開く日本国憲法29条・e-Govで法令を開く
日本国憲法22条―現行条文本文
第二十二条
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。
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日本国憲法29条―現行条文本文
第二十九条
財産権は、これを侵してはならない。
財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。
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全体要旨
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