憲法 第5問
教材: 憲法①
司法試験 H20 第1問
論点: 諸種の憲法概念
問題
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ア.憲法概念は、その存在様式によって区分することができる。憲法という法形式をとって存在している法を「形式的意味の憲法」と呼び、法形式にかかわらず国家の組織や作用に関する基本的な規範を「実質的意味の憲法」と呼ぶ。後者の概念からすれば、国会法や公職選挙法の一部の規定は憲法法源としての意味を持つことになる。
イ.形式的意味の憲法の効力は他の法規範よりも優越する。今日多くの国では、この優越性を現実に保障するため裁判所による違憲審査制を採用しているが、法令の合憲性について議会が最終的に判断するという制度が憲法の形式的優位性と矛盾するとはいえない。
ウ.憲法の内容に着目すると、「固有の意味の憲法」と「立憲的意味の憲法」を区別することができる。「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、すべて憲法を持つものではない」という1789年のフランス人権宣言の有名な一節は、前者の趣旨を示したものである。
エ.形式的意味の憲法にはいかなる内容を盛り込むことも可能であるが、歴史的には立憲主義の成文化を求める動きが憲法典の普及を促進した。日本国憲法はこの経緯を踏まえ、憲法の形式的優位性の実質的根拠を示すため、第10章「最高法規」中に公務員の憲法尊重擁護義務を定める第99条を置いている。
公式解答
6. ウとエ
正誤・解説
ア /
憲法概念は、その存在様式によって区分することができる。憲法という法形式をとって存在している法を「形式的意味の憲法」と呼び、法形式にかかわらず国家の組織や作用に関する基本的な規範を「実質的意味の憲法」と呼ぶ。後者の概念からすれば、国会法や公職選挙法の一部の規定は憲法法源としての意味を持つことになる。
解説では「明らかに×とはいえない」とされている。形式的意味の憲法と実質的意味の憲法の区別、および後者に国会法・公職選挙法の一部規定が含まれうるという理解は、本肢のとおり。
根拠条文:日本国憲法97条・e-Govで法令を開く日本国憲法99条・e-Govで法令を開く
日本国憲法97条―現行条文本文
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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日本国憲法99条―現行条文本文
第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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イ /
形式的意味の憲法の効力は他の法規範よりも優越する。今日多くの国では、この優越性を現実に保障するため裁判所による違憲審査制を採用しているが、法令の合憲性について議会が最終的に判断するという制度が憲法の形式的優位性と矛盾するとはいえない。
解説では「明らかに×とはいえない」とされている。違憲審査制は優越性を担保する制度の一つであり、議会が最終判断する制度でも直ちに形式的優位性と矛盾するとはいえないとしている。
根拠条文:日本国憲法97条・e-Govで法令を開く日本国憲法99条・e-Govで法令を開く
日本国憲法97条―現行条文本文
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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日本国憲法99条―現行条文本文
第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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ウ /
憲法の内容に着目すると、「固有の意味の憲法」と「立憲的意味の憲法」を区別することができる。「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は、すべて憲法を持つものではない」という1789年のフランス人権宣言の有名な一節は、前者の趣旨を示したものである。
解説では「明らかに×」とされている。『権利保障』や『権力分立』を要件とするのは立憲的意味の憲法であり、この一節は後者の趣旨を示す。したがって前者とする点が誤り。
根拠条文:日本国憲法97条・e-Govで法令を開く日本国憲法99条・e-Govで法令を開く
日本国憲法97条―現行条文本文
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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第九十九条
天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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エ /
形式的意味の憲法にはいかなる内容を盛り込むことも可能であるが、歴史的には立憲主義の成文化を求める動きが憲法典の普及を促進した。日本国憲法はこの経緯を踏まえ、憲法の形式的優位性の実質的根拠を示すため、第10章「最高法規」中に公務員の憲法尊重擁護義務を定める第99条を置いている。
解説では「明らかに×」とされている。日本国憲法97条は基本的人権の由来・永久不可侵性を定める規定で、99条は公務員の憲法尊重擁護義務。設問は97条の位置づけ等を混同しており誤り。
根拠条文:日本国憲法97条・e-Govで法令を開く日本国憲法99条・e-Govで法令を開く
日本国憲法97条―現行条文本文
第九十七条
この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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第九十九条
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全体要旨
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