商法 第323問
教材: 商法②
予備試験 H30 第30問
論点: 手形債務の発生
問題
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約束手形の振出人が負う手形債務がどのようにして生ずるかについては、幾つかの立場がある。次のアからオまでの各記述のうち、「この立場」が、当該手形債務は、手形の作成及び署名という一方的行為によって発生すると解する立場を指すものとしてふさわしいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
ア /
「この立場」は、一般に、署名によって署名者自身を権利者とする手形上の権利が成立し、その権利が手形の交付によって相手方に譲渡されると解している。
これは交付により手形上の権利が成立・移転するという説明で、手形の作成及び署名という一方的行為で発生するとする立場とは合いません。
イ /
「この立場」は、手形という書面を通じて意思表示がされ、手形の授受により、意思表示が相手方に到達すると解している。
手形の授受による到達をいうので、手形の作成及び署名という一方的行為で発生するとする立場ではなく、交付契約説の説明です。
ウ /
「この立場」は、手形を一旦作成し、署名した後であっても、占有を手放すまでは、署名者は自由に手形債務の内容を変更し、又は消滅させることができるから、手形を相手方に交付して初めて債務を負担すると解することが手形行為の通常の意思に合致すると主張する。
交付まで自由に変更・消滅できるので交付時に債務負担するとする発想であり、一方的行為で発生するとする立場の説明ではありません。
エ /
「この立場」に対しては、民法上も単独行為によって債権債務関係は生じ得るし、相手方の承諾を必要と考えるのは擬制的であるという批判がある。
これは単独行為で債権債務が生じうることを前提にした批判で、交付契約説への批判として述べられています。
オ /
「この立場」は、振出人が署名したが、受取人に交付する前の手形が振出人の下で保管されていた間に盗取されたときは、当該手形を盗取した者から、善意かつ重大な過失がなく当該手形を取得した者は、善意取得によって保護されると解している。
署名時に手形上の権利が成立する創造説なら、未交付の手形でも盗取後の善意取得を認める説明と整合します。
全体要旨
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