商法 第308問
教材: 商法②
司法試験 H22 第53問(改)
論点: 運送営業
問題
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公式解答
4
正誤・解説
p1 /
湖上を航行する遊覧船の事業者が顧客と締結する契約には、商法第2編第8章に定める運送営業に関する規定は、適用されない。
商法569条3号は「海上運送」に、同条・同法747条は「非航海船」による物品又は旅客の運送を含めている。湖上航行の遊覧船でも、商法の運送営業規定の適用対象となる。
根拠条文:商法569条第3号・e-Govで法令を開く商法684条・e-Govで法令を開く商法747条・e-Govで法令を開く
商法569条第3号―現行条文本文
第五百六十九条
この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
一 運送人
陸上運送、海上運送又は航空運送の引受けをすることを業とする者をいう。
二 陸上運送
陸上における物品又は旅客の運送をいう。
三 海上運送
第六百八十四条に規定する船舶(第七百四十七条に規定する非航海船を含む。)による物品又は旅客の運送をいう。
四 航空運送
航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第二条第一項に規定する航空機による物品又は旅客の運送をいう。
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商法684条―現行条文本文
第六百八十四条 (定義)
この編(第七百四十七条を除く。)において「船舶」とは、商行為をする目的で航海の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。)をいう。
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商法747条―現行条文本文
第七百四十七条 (非航海船による物品運送への準用)
この節の規定は、商行為をする目的で専ら湖川、港湾その他の海以外の水域において航行の用に供する船舶(端舟その他ろかいのみをもって運転し、又は主としてろかいをもって運転する舟を除く。以下この編において「非航海船」という。)によって物品を運送する場合について準用する。
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p2 /
判例によれば、運送人は、運送品の全部が運送人の過失により滅失した場合には、荷送人又は荷受人に損害が全く生じなかったとしても、引き渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定まる額の賠償責任を負う。
判例は、運送品が全部滅失しても荷送人・荷受人に全く損害が生じない場合まで運送人に賠償責任を負わせる趣旨ではないとする。したがって、市場価格による賠償が当然に生じるとはいえない。
根拠条文:商法576条第1項・e-Govで法令を開く商法580条第1項・e-Govで法令を開く商法581条第3項・e-Govで法令を開く
商法576条第1項―現行条文本文
運送品の滅失又は損傷の場合における損害賠償の額は、その引渡しがされるべき地及び時における運送品の市場価格(取引所の相場がある物品については、その相場)によって定める。
ただし、市場価格がないときは、その地及び時における同種類で同一の品質の物品の正常な価格によって定める。
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商法580条第1項―現行条文本文
荷送人は、運送人に対し、運送の中止、荷受人の変更その他の処分を請求することができる。
この場合において、運送人は、既にした運送の割合に応じた運送賃、付随の費用、立替金及びその処分によって生じた費用の弁済を請求することができる。
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商法581条第3項―現行条文本文
荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等を支払う義務を負う。
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p3 /
宅配便の運送約款で運送人の荷受人に対する責任の限度額を定めたときは、当該定めは、運送人の荷受人に対する債務不履行に基づく責任には適用されるが、運送人の荷受人に対する不法行為に基づく責任には適用されない。
判例は、約款で定めた責任限度額は、債務不履行責任だけでなく、不法行為責任にも適用されると解する。よって、設問のように不法行為責任を除外するのは誤り。
根拠条文:商法581条第3項・e-Govで法令を開く
商法581条第3項―現行条文本文
荷受人は、運送品を受け取ったときは、運送人に対し、運送賃等を支払う義務を負う。
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p4 /
判例によれば、高価品の運送を委託した荷送人は、当該高価品の種類及び価額を通知しなかったとしても、当該高価品が、容積重量とも相当巨大であって、高価であることが一見明瞭な品種である場合には、その滅失につき運送人に対し損害賠償を請求することができる。
商法577条1項・2項ただし書の趣旨に関する判例は、運送人が高価品であることを知っていたといえる場合には、種類・価額の通知がなくても高価品免責を主張できないとする。設問はこの趣旨に沿う。
根拠条文:商法577条第1項・e-Govで法令を開く商法577条第2項・e-Govで法令を開く最判昭10.4.30【商法百選77】・e-Govを開く
商法577条第1項―現行条文本文
貨幣、有価証券その他の高価品については、荷送人が運送を委託するに当たりその種類及び価額を通知した場合を除き、運送人は、その滅失、損傷又は延着について損害賠償の責任を負わない。
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商法577条第2項―現行条文本文
前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 物品運送契約の締結の当時、運送品が高価品であることを運送人が知っていたとき。
二 運送人の故意又は重大な過失によって高価品の滅失、損傷又は延着が生じたとき。
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p5 /
旅客運送人は、旅客から無償で預かった手荷物が旅客運送人の従業員の過失によって損傷したとしても、当該従業員に対する監督を怠っていなければ、損害賠償の責任を負わない。
商法592条1項により、旅客から引渡しを受けた手荷物には原則として運送品と同一の責任を負う。さらに575条ただし書の注意を尽くした証明は、従業員への監督を怠らなかっただけでは足りない。
根拠条文:商法592条第1項・e-Govで法令を開く商法575条・e-Govで法令を開く
商法592条第1項―現行条文本文
運送人は、旅客から引渡しを受けた手荷物については、運送賃を請求しないときであっても、物品運送契約における運送人と同一の責任を負う。
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商法575条―現行条文本文
第五百七十五条 (運送人の責任)
運送人は、運送品の受取から引渡しまでの間にその運送品が滅失し若しくは損傷し、若しくはその滅失若しくは損傷の原因が生じ、又は運送品が延着したときは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。
ただし、運送人がその運送品の受取、運送、保管及び引渡しについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
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