商法 第277問
教材: 商法②
司法試験 H24 第51問
論点: 営業譲渡と商号等
問題
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個人商人Aが甲商店の商号で乙市内において営む営業を個人商人Bに譲渡した場合に関する次のアからオまでの各記述のうち、誤っているものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。ただし、A及びBは、小商人ではないものとし、また、AとBとは、Aの営業によって生じたC債務(以下「C債務」という。)及びAの営業によって生じたD債権(以下「D債権」という。)につき、その譲渡の対象としない旨を合意していたものとする。
公式解答
5. ウ エ
正誤・解説
p1 /
Aは、同一の営業をしない旨の特約をした場合であっても、営業譲渡の日から30年を経過すれば、乙市内において同一の営業をすることができる。
営業譲渡後の競業避止義務は、特約があっても期間制限があり、30年を超えては効力を有しない。したがって、30年経過後は同一営業をすることができる。
根拠条文:商法16条第1項・e-Govで法令を開く商法16条第2項・e-Govで法令を開く
商法16条第1項―現行条文本文
営業を譲渡した商人(以下この章において「譲渡人」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その営業を譲渡した日から二十年間は、同一の営業を行ってはならない。
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商法16条第2項―現行条文本文
譲渡人が同一の営業を行わない旨の特約をした場合には、その特約は、その営業を譲渡した日から三十年の期間内に限り、その効力を有する。
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p2 /
AがBに対し営業とともに甲商店の商号を譲渡した場合、商号の譲渡は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
商号譲渡の対抗要件は登記である。登記がなければ第三者に対抗できない。
根拠条文:商法15条第1項・e-Govで法令を開く商法15条第2項・e-Govで法令を開く
商法15条第1項―現行条文本文
商人の商号は、営業とともにする場合又は営業を廃止する場合に限り、譲渡することができる。
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商法15条第2項―現行条文本文
前項の規定による商号の譲渡は、登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
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p3 /
Bは、甲商店の商号を引き続き使用するとは、譲り受けた財産の価額を限度として、C債務を弁済する責任を負う。
商号を引き続き使用する場合、譲受人は譲渡人の営業による債務を弁済する責任を負うが、問題文のように『譲り受けた財産の価額を限度』とはされていない。
根拠条文:商法17条第1項・e-Govで法令を開く
商法17条第1項―現行条文本文
営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
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p4 /
Bが甲商店の商号を引き続き使用しない場合において、Aの営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたことによりBが負担するC債務を弁済する責任は、その広告をした日から2年を経過すれば消滅する。
広告による債務引受の責任は一定期間で消滅するが、起算点や要件の整理が問題文と異なる。本文では『同項の広告があった日後2年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する』としている。
根拠条文:商法18条第1項・e-Govで法令を開く商法18条第2項・e-Govで法令を開く
商法18条第1項―現行条文本文
譲受人が譲渡人の商号を引き続き使用しない場合においても、譲渡人の営業によって生じた債務を引き受ける旨の広告をしたときは、譲渡人の債権者は、その譲受人に対して弁済の請求をすることができる。
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商法18条第2項―現行条文本文
譲受人が前項の規定により譲渡人の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡人の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
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p5 /
Bが甲商店の商号を引き続き使用するときは、D債権に係る債務の弁済は、Dが善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。
商号を引き続き使用する場合の債権弁済の効力は、相手方が善意無重過失でないと無効にならない。問題文の内容は商法17条4項に合致する。
根拠条文:商法17条第1項・e-Govで法令を開く商法17条第4項・e-Govで法令を開く
商法17条第1項―現行条文本文
営業を譲り受けた商人(以下この章において「譲受人」という。)が譲渡人の商号を引き続き使用する場合には、その譲受人も、譲渡人の営業によって生じた債務を弁済する責任を負う。
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商法17条第4項―現行条文本文
第一項に規定する場合において、譲渡人の営業によって生じた債権について、その譲受人にした弁済は、弁済者が善意でかつ重大な過失がないときは、その効力を有する。
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全体要旨
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