商法 第228問
教材: 商法②
予備試験 H29 第24問
論点: 事業譲渡及び吸収分割
問題
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株式会社を各当事会社とする事業譲渡及び吸収分割に関する次のアからオまでの各記述のうち、正しいものを組み合わせたものは、後記1から5までのうちどれか。なお、特別法の規定の適用がある場合は、考慮しないものとする。
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
事業譲渡をする場合には、譲渡会社の新株予約権者は、譲渡会社に対し、自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができないが、吸収分割をする場合には、吸収分割会社の新株予約権者は、吸収分割会社に対し、自己の有する新株予約権を買い取ることを請求することができることがある。
事業譲渡では新株予約権者の買取請求は認められない一方、吸収分割では一定の新株予約権について買取請求が認められる場合がある。
根拠条文:会社法787条第1項・e-Govで法令を開く会社法782条第1項・e-Govで法令を開く会社法236条第1項第8号・e-Govで法令を開く会社法469条第1項・e-Govで法令を開く会社法469条第1項第1号・e-Govで法令を開く
会社法787条第1項―現行条文本文
次の各号に掲げる行為をする場合には、当該各号に定める消滅株式会社等の新株予約権の新株予約権者は、消滅株式会社等に対し、自己の有する新株予約権を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一 吸収合併
第七百四十九条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号イに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
二 吸収分割(吸収分割承継会社が株式会社である場合に限る。)
次に掲げる新株予約権のうち、第七百五十八条第五号又は第六号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ロに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
三 株式交換(株式交換完全親会社が株式会社である場合に限る。)
次に掲げる新株予約権のうち、第七百六十八条第一項第四号又は第五号に掲げる事項についての定めが第二百三十六条第一項第八号の条件(同号ニに関するものに限る。)に合致する新株予約権以外の新株予約権
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会社法782条第1項―現行条文本文
次の各号に掲げる株式会社(以下この目において「消滅株式会社等」という。)は、吸収合併契約等備置開始日から吸収合併、吸収分割又は株式交換(以下この節において「吸収合併等」という。)がその効力を生ずる日(以下この節において「効力発生日」という。)後六箇月を経過する日(吸収合併消滅株式会社にあっては、効力発生日)までの間、当該各号に定めるもの(以下この節において「吸収合併契約等」という。)の内容その他法務省令で定める事項を記載し、又は記録した書面又は電磁的記録をその本店に備え置かなければならない。
一 吸収合併消滅株式会社
吸収合併契約
二 吸収分割株式会社
吸収分割契約
三 株式交換完全子会社
株式交換契約
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会社法236条第1項第8号―現行条文本文
八 当該株式会社が次のイからホまでに掲げる行為をする場合において、当該新株予約権の新株予約権者に当該イからホまでに定める株式会社の新株予約権を交付することとするときは、その旨及びその条件
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会社法469条第1項―現行条文本文
事業譲渡等をする場合(次に掲げる場合を除く。)には、反対株主は、事業譲渡等をする株式会社に対し、自己の有する株式を公正な価格で買い取ることを請求することができる。
一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。
二 前条第二項に規定する場合(同条第三項に規定する場合を除く。)
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会社法469条第1項第1号―現行条文本文
一 第四百六十七条第一項第一号に掲げる行為をする場合において、同項の株主総会の決議と同時に第四百七十一条第三号の株主総会の決議がされたとき。
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p2 /
譲渡会社及び吸収分割会社のいずれについても、当事会社の別段の意思表示がない限り就業避難義務を負う旨が会社法に規定されている。
事業譲渡については競業避止義務の規定があるが、吸収分割については同様の規定はない。
根拠条文:会社法21条第1項・e-Govで法令を開く
会社法21条第1項―現行条文本文
事業を譲渡した会社(以下この章において「譲渡会社」という。)は、当事者の別段の意思表示がない限り、同一の市町村(特別区を含むものとし、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市にあっては、区又は総合区。以下この項において同じ。)の区域内及びこれに隣接する市町村の区域内においては、その事業を譲渡した日から二十年間は、同一の事業を行ってはならない。
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p3 /
事業譲渡については、債権者異議手続をすることを要しないが、吸収分割については、債権者異議手続をしなければならないことがある。
事業譲渡には会社法789条1項2号・799条1項2号のような債権者異議手続の規定はないが、吸収分割では債権者保護手続が問題となる場合がある。
根拠条文:会社法789条第1項第2号・e-Govで法令を開く会社法799条第1項第2号・e-Govで法令を開く
会社法789条第1項第2号―現行条文本文
二 吸収分割をする場合
吸収分割後吸収分割株式会社に対して債務の履行(当該債務の保証人として吸収分割承継会社と連帯して負担する保証債務の履行を含む。)を請求することができない吸収分割株式会社の債権者(第七百五十八条第八号又は第七百六十条第七号に掲げる事項についての定めがある場合にあっては、吸収分割株式会社の債権者)
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会社法799条第1項第2号―現行条文本文
二 吸収分割をする場合
吸収分割承継株式会社の債権者
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p4 /
事業譲渡の無効及び吸収分割の無効は、いずれも訴えをもってのみ主張することができる。
吸収分割の無効は会社法828条1項9号により訴えでのみ主張できるが、事業譲渡にはこの規定はない。
根拠条文:会社法828条第1項・e-Govで法令を開く会社法828条第1項第9号・e-Govで法令を開く
会社法828条第1項―現行条文本文
次の各号に掲げる行為の無効は、当該各号に定める期間に、訴えをもってのみ主張することができる。
一 会社の設立
会社の成立の日から二年以内
二 株式会社の成立後における株式の発行
株式の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、株式の発行の効力が生じた日から一年以内)
三 自己株式の処分
自己株式の処分の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、自己株式の処分の効力が生じた日から一年以内)
四 新株予約権(当該新株予約権が新株予約権付社債に付されたものである場合にあっては、当該新株予約権付社債についての社債を含む。以下この章において同じ。)の発行
新株予約権の発行の効力が生じた日から六箇月以内(公開会社でない株式会社にあっては、新株予約権の発行の効力が生じた日から一年以内)
五 株式会社における資本金の額の減少
資本金の額の減少の効力が生じた日から六箇月以内
六 会社の組織変更
組織変更の効力が生じた日から六箇月以内
七 会社の吸収合併
吸収合併の効力が生じた日から六箇月以内
八 会社の新設合併
新設合併の効力が生じた日から六箇月以内
九 会社の吸収分割
吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内
十 会社の新設分割
新設分割の効力が生じた日から六箇月以内
十一 株式会社の株式交換
株式交換の効力が生じた日から六箇月以内
十二 株式会社の株式移転
株式移転の効力が生じた日から六箇月以内
十三 株式会社の株式交付
株式交付の効力が生じた日から六箇月以内
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会社法828条第1項第9号―現行条文本文
九 会社の吸収分割
吸収分割の効力が生じた日から六箇月以内
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p5 /
吸収分割会社が吸収分割承継会社に承継されない債務の債権者を害することを知って吸収分割をした場合には、当該債権者が吸収分割承継会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることが会社法に規定されているが、譲渡会社が譲受会社に承継されない債務の債権者を害することを知って事業譲渡をした場合には、当該債権者が譲受会社に対して当該債務の履行を請求することができるときがあることは会社法に規定されていない。
吸収分割では会社法759条4項・23条2項1項により一定の債権者救済があるが、事業譲渡について同様の規定はない。
根拠条文:会社法759条第4項・e-Govで法令を開く会社法23条第2項・e-Govで法令を開く
会社法759条第4項―現行条文本文
第一項の規定にかかわらず、吸収分割会社が吸収分割承継株式会社に承継されない債務の債権者(以下この条において「残存債権者」という。)を害することを知って吸収分割をした場合には、残存債権者は、吸収分割承継株式会社に対して、承継した財産の価額を限度として、当該債務の履行を請求することができる。
ただし、吸収分割承継株式会社が吸収分割の効力が生じた時において残存債権者を害することを知らなかったときは、この限りでない。
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会社法23条第2項―現行条文本文
譲受会社が前項の規定により譲渡会社の債務を弁済する責任を負う場合には、譲渡会社の責任は、同項の広告があった日後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
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