商法 第173問
教材: 商法①
司法試験 H24 第44問(改)
論点: 登記と第三者
問題
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アからオまでの各記述のうち、判例の趣旨に照らし誤っているものを組み合わせたものはどれか。
公式解答
3. イ オ
正誤・解説
p1 /
代表取締役が退任してその代表権を喪失し、退任の登記がされたときは、その後その者が会社の代表者として第三者とした取引については、民法第112条の規定は、適用されない。
説明では、会社法908条1項により、退任登記後でも善意の第三者には退任を対抗できないとしている。したがって、民法112条は適用されないとする本記述は判例に反する。
根拠条文:会社法908条第1項・e-Govで法令を開く民法112条・e-Govで法令を開く商法12条・e-Govで法令を開く【最判昭49.3.22】【商法百選6】・e-Govを開く会社法908条第2項・e-Govで法令を開く
会社法908条第1項―現行条文本文
この法律の規定により登記すべき事項は、登記の後でなければ、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
登記の後であっても、第三者が正当な事由によってその登記があることを知らなかったときは、同様とする。
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民法112条―現行条文本文
第百十二条 (代理権消滅後の表見代理等)
他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後にその代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、代理権の消滅の事実を知らなかった第三者に対してその責任を負う。
ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。
他人に代理権を与えた者は、代理権の消滅後に、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間で行為をしたとすれば前項の規定によりその責任を負うべき場合において、その他人が第三者との間でその代理権の範囲外の行為をしたときは、第三者がその行為についてその他人の代理権があると信ずべき正当な理由があるときに限り、その行為についての責任を負う。
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商法12条―現行条文本文
第十二条 (他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止)
何人も、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
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会社法908条第2項―現行条文本文
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
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p2 /
代表取締役が会社を代表して約束手形を振り出した場合であっても、代表取締役の就任につき登記がされていないときは、その代表取締役が個人として手形上の責任を負う。
説明では、就任登記がなくても、本人が代表取締役として振り出した以上、手形上の責任を個人として負わないとされている。よって本記述は判例に反する。
根拠条文:商法188条・e-Govで法令を開く会社法911条・e-Govで法令を開く会社法909条・e-Govで法令を開く商法12条・e-Govで法令を開く
会社法911条―現行条文本文
第九百十一条 (株式会社の設立の登記)
株式会社の設立の登記は、その本店の所在地において、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 第四十六条第一項の規定による調査が終了した日(設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合にあっては、設立時代表執行役が同条第三項の規定による通知を受けた日)
二 発起人が定めた日
前項の規定にかかわらず、第五十七条第一項の募集をする場合には、前項の登記は、次に掲げる日のいずれか遅い日から二週間以内にしなければならない。
一 創立総会の終結の日
二 第八十四条の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
三 第九十七条の創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
四 第百条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日から二週間を経過した日
五 第百一条第一項の種類創立総会の決議をしたときは、当該決議の日
第一項の登記においては、次に掲げる事項を登記しなければならない。
一 目的
二 商号
三 本店及び支店の所在場所
四 株式会社の存続期間又は解散の事由についての定款の定めがあるときは、その定め
五 資本金の額
六 発行可能株式総数
七 発行する株式の内容(種類株式発行会社にあっては、発行可能種類株式総数及び発行する各種類の株式の内容)
八 単元株式数についての定款の定めがあるときは、その単元株式数
九 発行済株式の総数並びにその種類及び種類ごとの数
十 株券発行会社であるときは、その旨
十一 株主名簿管理人を置いたときは、その氏名又は名称及び住所並びに営業所
十二 新株予約権を発行したときは、次に掲げる事項
十二の二 第三百二十五条の二の規定による電子提供措置をとる旨の定款の定めがあるときは、その定め
十三 取締役(監査等委員会設置会社の取締役を除く。)の氏名
十四 代表取締役の氏名及び住所(第二十三号に規定する場合を除く。)
十五 取締役会設置会社であるときは、その旨
十六 会計参与設置会社であるときは、その旨並びに会計参与の氏名又は名称及び第三百七十八条第一項の場所
十七 監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)であるときは、その旨及び次に掲げる事項
十八 監査役会設置会社であるときは、その旨及び監査役のうち社外監査役であるものについて社外監査役である旨
十九 会計監査人設置会社であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
二十 第三百四十六条第四項の規定により選任された一時会計監査人の職務を行うべき者を置いたときは、その氏名又は名称
二十一 第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
二十二 監査等委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
二十三 指名委員会等設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
二十四 第四百二十六条第一項の規定による取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人の責任の免除についての定款の定めがあるときは、その定め
二十五 第四百二十七条第一項の規定による非業務執行取締役等が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
二十六 第四百四十条第三項の規定による措置をとることとするときは、同条第一項に規定する貸借対照表の内容である情報について不特定多数の者がその提供を受けるために必要な事項であって法務省令で定めるもの
二十七 第九百三十九条第一項の規定による公告方法についての定款の定めがあるときは、その定め
二十八 前号の定款の定めが電子公告を公告方法とする旨のものであるときは、次に掲げる事項
二十九 第二十七号の定款の定めがないときは、第九百三十九条第四項の規定により官報に掲載する方法を公告方法とする旨
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会社法909条―現行条文本文
第九百九条 (変更の登記及び消滅の登記)
この法律の規定により登記した事項に変更が生じ、又はその事項が消滅したときは、当事者は、遅滞なく、変更の登記又は消滅の登記をしなければならない。
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商法12条―現行条文本文
第十二条 (他の商人と誤認させる名称等の使用の禁止)
何人も、不正の目的をもって、他の商人であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用してはならない。
前項の規定に違反する名称又は商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある商人は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができる。
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p3 /
取締役でないのに取締役として就任の登記をされた者が故意又は過失によりその登記につき承諾を与えていたときは、その者は、自己が取締役でないことをもって善意の第三者に対抗することができない。
説明では、不実の取締役就任登記につき本人が承諾していた場合には、本人も不実登記の出現に加功したものとして、善意の第三者に対抗できないとしている。
根拠条文:会社法908条第2項・e-Govで法令を開く商法14条・e-Govで法令を開く【最判昭47.6.15】【商法百選8】・e-Govを開く
会社法908条第2項―現行条文本文
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
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商法14条―現行条文本文
第十四条 (自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
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p4 /
代表取締役でない者が自ら会社の代表者として代表取締役の就任の登記の申請をしたことにより、その旨の登記がされたときは、その会社は、その登記を自らの申請に基づく登記と同視するのを相当とするような特段の事情がない限り、善意の第三者に対しても、その者が代表取締役でないことを対抗することができる。
説明では、本人申請に基づく登記と同視できる特段の事情がない限り、会社は善意の第三者にも代表取締役でないことを対抗できるとしている。
根拠条文:会社法908条第2項・e-Govで法令を開く商法14条・e-Govで法令を開く
会社法908条第2項―現行条文本文
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
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商法14条―現行条文本文
第十四条 (自己の商号の使用を他人に許諾した商人の責任)
自己の商号を使用して営業又は事業を行うことを他人に許諾した商人は、当該商人が当該営業を行うものと誤認して当該他人と取引をした者に対し、当該他人と連帯して、当該取引によって生じた債務を弁済する責任を負う。
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p5 /
取締役を退任したにもかかわらずその旨の登記がされていない場合には、退任した取締役は、過失により退任の登記がされていないことを知らなかったとしても、それを放置していたときであっても、善意の第三者に対し、自己が取締役でないことを対抗することができない。
説明では、退任登記未了でも、退任の登記未了を知らず放置していたなど特段の事情がある場合には、善意の第三者に対抗できないとされる。したがって、常に対抗できないとする本記述は判例に反する。
根拠条文:商法266条の3第1項・e-Govで法令を開く会社法429条第1項・e-Govで法令を開く会社法908条第2項・e-Govで法令を開く
会社法429条第1項―現行条文本文
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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会社法908条第2項―現行条文本文
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
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