商法 第172問
教材: 商法①
司法試験 H19 第46問(改)
論点: 取締役の対第三者責任
問題
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会社法第429条第1項に基づく取締役の第三者に対する責任
公式解答
5
正誤・解説
p1 /
辞任後も辞任の登記が未了であることによりその者がなお取締役であると信じて会社と取引をした第三者に対し、辞任した取締役は、登記申請権者である当該会社の代表者に対し辞任登記を申請しないで不実の登記を残存させることについて黙示に承諾をしていた場合には、責任を負う。
判例は、辞任後も不実の取締役登記を残すことにつき、辞任者が黙示に承諾していたなどの特段の事情があれば、善意の第三者に対して責任を負い得るとしている。
根拠条文:会社法429条第1項・e-Govで法令を開く会社法908条第2項・e-Govで法令を開く会社法14条・e-Govで法令を開く
会社法429条第1項―現行条文本文
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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会社法908条第2項―現行条文本文
故意又は過失によって不実の事項を登記した者は、その事項が不実であることをもって善意の第三者に対抗することができない。
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会社法14条―現行条文本文
第十四条 (ある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人)
事業に関するある種類又は特定の事項の委任を受けた使用人は、当該事項に関する一切の裁判外の行為をする権限を有する。
前項に規定する使用人の代理権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができない。
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p2 /
取締役の第三者に対する責任が発生するためには、第三者に対する加害についての悪意又は重過失が要件となる。
判例上、第三者に対する責任は故意・重過失だけでなく、悪意又は重過失による職務懈怠と第三者損害との因果関係が問題となる。設問は要件を第三者への加害に限定しており不正確。
p3 /
法改正(平29法44)により削除
平成29年改正で削除された肢であり、現行法の判断対象ではない。
p4 /
取締役の第三者に対する責任は不法行為責任ではないから、賠償すべき損害額を算定するに当り、第三者に過失があったとしても、過失相殺をすることはできない。
判例は、会社法429条1項に基づく損害賠償についても民法722条2項の適用があるとし、第三者側の過失を過失相殺で考慮し得るとしている。
根拠条文:会社法429条第1項・e-Govで法令を開く民法722条第2項・e-Govで法令を開く
会社法429条第1項―現行条文本文
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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民法722条第2項―現行条文本文
被害者に過失があったときは、裁判所は、これを考慮して、損害賠償の額を定めることができる。
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p5 /
取締役が悪意又は重大な過失となる放漫経営をし、当該放漫経営により倒産した会社に対する債権を回収することができなくなる損害を被った会社債権者は、当該取締役の責任を追及することができる。
判例は、取締役の悪意・重過失ある放漫経営により会社が損害を受け、その結果として会社債権者が回収不能の損害を被った場合、間接損害として429条1項の責任追及を認める。
根拠条文:会社法429条第1項・e-Govで法令を開く
会社法429条第1項―現行条文本文
役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
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全体要旨
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