商法 第147問
教材: 商法①
司法試験 H22 第43問
論点: 取締役に対する金銭の貸付け
問題
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公式解答
正解 / 4 / 5
正誤・解説
1 /
金銭の貸付けを受けた取締役が弁済期限までに弁済せず、株式会社に損害が生じた場合において、当該貸付けに関する取締役会の承認の決議に賛成した他の取締役が当該株式会社に対して損害を賠償する責任は、当該取締役が職務を行うにつき善意で、かつ、重大な過失がないときは、株主総会の特別決議によって一定の限度で免除することができる。
423条3項は、取締役会承認に賛成した取締役等の責任について、善意・重過失がない場合に株主総会の特別決議で一部免除し得るとしている。肢はこれに沿う。
根拠条文:商法356条第1項第2号・e-Govで法令を開く商法365条第1項・e-Govで法令を開く商法423条第1項・e-Govで法令を開く商法423条第3項・e-Govで法令を開く商法425条第1項・e-Govで法令を開く商法309条第2項・e-Govで法令を開く商法425条第1項第8号・e-Govで法令を開く
2 /
金銭の貸付けが取締役会の承認を受けずにされた場合には、株式会社は、金銭の貸付けを受けた取締役に対して、当該貸付けに係る契約の無効を主張することができる。
取締役会の承認がなくても、会社が当然に契約無効を主張できるわけではない。説明では、承認欠缺を理由に無効を主張できるのは原則として会社側であっても、事情により制限される場面があるとしている。
3 /
金銭の貸付けを受けた取締役が弁済期限までに弁済せず、株式会社に損害が生じた場合において、当該貸付けに関する取締役会の承認の決議に賛成した他の取締役は、その任務を怠ったものと推定される。
423条3項は、356条1項2号等の取引で会社に損害が生じたとき、承認に賛成した取締役らを「任務を怠ったものと推定する」と定める。肢は正しい。
4 /
判例によれば、株式会社の取締役が当該株式会社の全株式を所有し、当該株式会社の営業が実質上当該取締役の個人経営のものにすぎないときであっても、当該株式会社が当該取締役に対して金銭の貸付けをするためには、当該貸付けに関する取締役会の承認が必要である。
判例は、会社と取締役の間に実質的な利益相反関係がない場合には、承認要件を形式的に貫かない立場を示す。全株式保有で実質個人経営に近いなら、承認不要とされる方向で、本肢は誤り。
根拠条文:商法265条・e-Govで法令を開く
5 /
金銭の貸付けを受けた取締役が弁済期限までに弁済せず、株式会社に損害が生じた場合において、当該貸付けを決定した代表取締役は、職務を行うにつき責めに帰することができない事由によるものであることを証明しても、当該株式会社に対して損害を賠償する責任を免れることができない。
423条3項の責任についても、428条1項により、自己取引等の一定の場合を除き、責めに帰すことができない事由の証明で免責し得る。したがって、常に免責できないとするのは誤り。
全体要旨
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