商法 第143問
教材: 商法①
司法試験 H25 第44問(改)
論点: 取締役会設置会社の取締役
問題
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取締役会設置会社(監査等委員会設置会社及び指名委員会等設置会社を除く。)の取締役が行った取引に関する次のアからオまでの各記述
公式解答
1. ア ウ
正誤・解説
p1 /
取締役Aが会社の代表取締役としてBと取引を行った場合において、Aを代表取締役に選定した取締役会の決議が無効であったときは、Aが代表権を有しないことをBが知らなかったとしても、その取引の効力は、会社には及ばない。
説明では、代表取締役選定決議に瑕疵があっても、会社は商法262条の類推適用により、善意の第三者に対しては原則として責任を負うとされている。したがって、Bが代表権不存在を知らない以上、会社に効力が及ばないとはいえない。
根拠条文:商法354条・e-Govで法令を開く商法262条・e-Govで法令を開く
p2 /
会社から副社長の名称を付された代表権を有しない取締役Cが副社長の名称を使用してDと取引を行った場合において、Cが代表権を有しないことを知らなかったことについてDに重大な過失があるときは、その取引の効力は、会社には及ばない。
説明では、商法262条の類推適用により、第三者Dが代表権欠缺を知らず、かつ重大な過失があるときは、会社は責任を免れるとされている。
根拠条文:商法262条・e-Govで法令を開く
p3 /
代表取締役が、会社を代表して、取締役会の決議を経ないで、会社の重要な財産であるEに対する金銭債権をFに譲渡した場合において、Fが取締役会の決議を経ていないことを知っていたときは、Eは、Fに対し、その債権譲渡の無効を主張することができる。
説明では、重要な業務執行に当たる取引でも、会社の内部意思決定の欠缺を理由とする無効は原則として会社のみが主張でき、相手方Fの悪意だけではEが無効を主張できないとされている。
根拠条文:会社法362条第4項・e-Govで法令を開く
会社法362条第4項―現行条文本文
取締役会は、次に掲げる事項その他の重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない。
一 重要な財産の処分及び譲受け
二 多額の借財
三 支配人その他の重要な使用人の選任及び解任
四 支店その他の重要な組織の設置、変更及び廃止
五 第六百七十六条第一号に掲げる事項その他の社債を引き受ける者の募集に関する重要な事項として法務省令で定める事項
六 取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務並びに当該株式会社及びその子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備
七 第四百二十六条第一項の規定による定款の定めに基づく第四百二十三条第一項の責任の免除
会社法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:15:15)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
代表取締役GがHに対して負担する債務について、Gが、会社を代表して、取締役会の承認を受けないで、その債務を引き受けた場合において、Hが取締役会の承認を受けていないことを知っていたときは、その債務引受けの効力は、会社には及ばない。
説明では、自己の債務を会社が引き受ける場合は間接取引に当たり、取締役会承認が必要であり、相手方Hが承認欠缺を知っているときは、その債務引受けの効力は会社に及ばないとされている。
根拠条文:会社法356条第1項第3号・e-Govで法令を開く会社法365条第1項・e-Govで法令を開く
会社法356条第1項第3号―現行条文本文
三 株式会社が取締役の債務を保証することその他取締役以外の者との間において株式会社と当該取締役との利益が相反する取引をしようとするとき。
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会社法365条第1項―現行条文本文
取締役会設置会社における第三百五十六条の規定の適用については、同条第一項中「株主総会」とあるのは、「取締役会」とする。
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p5 /
代表取締役Iが、自らの個人的利益を図る目的で、会社を代表してJから金銭を借り入れた場合において、JがIの真意を知り得べきであったときは、その借入れの効力は、会社には及ばない。
説明では、代表取締役の自己図利目的の行為については、相手方がその目的を知り、又は知り得たときに代理権濫用として問題となるのであって、『知り得べきであった』だけで当然に会社に効力が及ばないとはいえない。
根拠条文:民法107条・e-Govで法令を開く
民法107条―現行条文本文
第百七条 (代理権の濫用)
代理人が自己又は第三者の利益を図る目的で代理権の範囲内の行為をした場合において、相手方がその目的を知り、又は知ることができたときは、その行為は、代理権を有しない者がした行為とみなす。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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