商法 第15問
教材: 商法①
司法試験 H23 第38問
論点: 発起設立
問題
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ア 設立時取締役は、発起人であることを要しない。
イ 発起人が2名以上ある場合、そのうちの発起人1名が設立時発行株式の全て引き受け、他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる。
ウ 定款で設立時取締役として定められた者は、その定款について公証人の認証を受けた時に、設立時取締役に選任されたものとみなされる。
エ 設立時取締役は、その選任後遅滞なく、設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
オ 株式会社が発起人となってその事業の全部を現物出資する場合には、現物出資をする会社において株主総会の特別決議を経なければならない。
公式解答
3. イ ウ
正誤・解説
ア /
設立時取締役は、発起人であることを要しない。
設立時取締役は発起人に限られない。解説では、会社法39条4項が発起人要件を含まないことから、設立時取締役は発起人であることを要しないとしている。
根拠条文:会社法39条第4項・e-Govで法令を開く会社法331条第1項・e-Govで法令を開く
会社法39条第4項―現行条文本文
第三百三十一条第一項(第三百三十五条第一項において準用する場合を含む。)、第三百三十三条第一項若しくは第三項又は第三百三十七条第一項若しくは第三項の規定により成立後の株式会社の取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役)、会計参与、監査役又は会計監査人となることができない者は、それぞれ設立時取締役(成立後の株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人(以下この節において「設立時役員等」という。)となることができない。
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会社法331条第1項―現行条文本文
次に掲げる者は、取締役となることができない。
一 法人
二 削除
三 この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)の規定に違反し、又は金融商品取引法第百九十七条、第百九十七条の二第一項第一号から第十号の三まで若しくは第十三号から第十五号まで、第百九十八条第一項第八号、第百九十九条、第二百条第一号から第十二号の二まで、第二十号若しくは第二十一号、第二百三条第三項若しくは第二百五条第一号から第六号まで、第十九号若しくは第二十号の罪、民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第二百五十五条、第二百五十六条、第二百五十八条から第二百六十条まで若しくは第二百六十二条の罪、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律(平成十二年法律第百二十九号)第六十五条、第六十六条、第六十八条若しくは第六十九条の罪、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第二百六十六条、第二百六十七条、第二百六十九条から第二百七十一条まで若しくは第二百七十三条の罪若しくは破産法(平成十六年法律第七十五号)第二百六十五条、第二百六十六条、第二百六十八条から第二百七十二条まで若しくは第二百七十四条の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者
四 前号に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、拘禁刑以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く。)
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イ /
発起人が2名以上ある場合、そのうちの発起人1名が設立時発行株式の全てを引き受け、他の発起人は、設立時発行株式を引き受けないことができる。
発起人は各自1株以上を引き受ける必要があるため、1人が全部を引き受け他の発起人が全く引き受けないことはできない。
根拠条文:会社法25条第2項・e-Govで法令を開く
会社法25条第2項―現行条文本文
各発起人は、株式会社の設立に際し、設立時発行株式を一株以上引き受けなければならない。
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ウ /
定款で設立時取締役として定められた者は、その定款について公証人の認証を受けた時に、設立時取締役に選任されたものとみなされる。
定款で定められた者が設立時取締役に選任されたものとみなされるのは、定款の公証人認証時ではなく、出資の履行が完了した時である。
根拠条文:会社法38条第4項・e-Govで法令を開く
会社法38条第4項―現行条文本文
定款で設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査等委員会設置会社である場合にあっては、設立時監査等委員である設立時取締役又はそれ以外の設立時取締役。以下この項において同じ。)、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人として定められた者は、出資の履行が完了した時に、それぞれ設立時取締役、設立時会計参与、設立時監査役又は設立時会計監査人に選任されたものとみなす。
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エ /
設立時取締役は、その選任後遅滞なく、設立の手続が法令又は定款に違反していないことを調査しなければならない。
設立時取締役は、選任後遅滞なく、設立手続が法令・定款に違反していないか調査する義務がある。解説は会社法46条1項・4号を挙げている。
根拠条文:会社法46条第1項・e-Govで法令を開く会社法46条第4号・e-Govで法令を開く
会社法46条第1項―現行条文本文
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
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会社法46条第4号―現行条文本文
第四十六条
設立時取締役(設立しようとする株式会社が監査役設置会社である場合にあっては、設立時取締役及び設立時監査役。以下この条において同じ。)は、その選任後遅滞なく、次に掲げる事項を調査しなければならない。
一 第三十三条第十項第一号又は第二号に掲げる場合における現物出資財産等(同号に掲げる場合にあっては、同号の有価証券に限る。)について定款に記載され、又は記録された価額が相当であること。
二 第三十三条第十項第三号に規定する証明が相当であること。
三 出資の履行が完了していること。
四 前三号に掲げる事項のほか、株式会社の設立の手続が法令又は定款に違反していないこと。
設立時取締役は、前項の規定による調査により、同項各号に掲げる事項について法令若しくは定款に違反し、又は不当な事項があると認めるときは、発起人にその旨を通知しなければならない。
設立しようとする株式会社が指名委員会等設置会社である場合には、設立時取締役は、第一項の規定による調査を終了したときはその旨を、前項の規定による通知をしたときはその旨及びその内容を、設立時代表執行役(第四十八条第一項第三号に規定する設立時代表執行役をいう。)に通知しなければならない。
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オ /
株式会社が発起人となってその事業の全部を現物出資する場合には、現物出資をする会社において株主総会の特別決議を経なければならない。
株式会社が事業全部の譲渡を行う場合には、株主総会の特別決議が必要とされる。解説は会社法467条1項柱書・1号および309条2項11号を根拠としている。
根拠条文:会社法467条第1項・e-Govで法令を開く会社法467条第1項第1号・e-Govで法令を開く会社法309条第2項・e-Govで法令を開く会社法309条第2項第11号・e-Govで法令を開く
会社法467条第1項―現行条文本文
株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。
一 事業の全部の譲渡
二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。)
二の二 その子会社の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)
三 他の会社(外国会社その他の法人を含む。次条において同じ。)の事業の全部の譲受け
四 事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任、他人と事業上の損益の全部を共通にする契約その他これらに準ずる契約の締結、変更又は解約
五 当該株式会社(第二十五条第一項各号に掲げる方法により設立したものに限る。以下この号において同じ。)の成立後二年以内におけるその成立前から存在する財産であってその事業のために継続して使用するものの取得。
ただし、イに掲げる額のロに掲げる額に対する割合が五分の一(これを下回る割合を当該株式会社の定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えない場合を除く。
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会社法467条第1項第1号―現行条文本文
一 事業の全部の譲渡
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会社法309条第2項―現行条文本文
前項の規定にかかわらず、次に掲げる株主総会の決議は、当該株主総会において議決権を行使することができる株主の議決権の過半数(三分の一以上の割合を定款で定めた場合にあっては、その割合以上)を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の三分の二(これを上回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)以上に当たる多数をもって行わなければならない。
この場合においては、当該決議の要件に加えて、一定の数以上の株主の賛成を要する旨その他の要件を定款で定めることを妨げない。
一 第百四十条第二項及び第五項の株主総会
二 第百五十六条第一項の株主総会(第百六十条第一項の特定の株主を定める場合に限る。)
三 第百七十一条第一項及び第百七十五条第一項の株主総会
四 第百八十条第二項の株主総会
五 第百九十九条第二項、第二百条第一項、第二百二条第三項第四号、第二百四条第二項及び第二百五条第二項の株主総会
六 第二百三十八条第二項、第二百三十九条第一項、第二百四十一条第三項第四号、第二百四十三条第二項及び第二百四十四条第三項の株主総会
七 第三百三十九条第一項の株主総会(第三百四十二条第三項から第五項までの規定により選任された取締役(監査等委員である取締役を除く。)を解任する場合又は監査等委員である取締役若しくは監査役を解任する場合に限る。)
八 第四百二十五条第一項の株主総会
九 第四百四十七条第一項の株主総会(次のいずれにも該当する場合を除く。)
十 第四百五十四条第四項の株主総会(配当財産が金銭以外の財産であり、かつ、株主に対して同項第一号に規定する金銭分配請求権を与えないこととする場合に限る。)
十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
十二 第五編の規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
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会社法309条第2項第11号―現行条文本文
十一 第六章から第八章までの規定により株主総会の決議を要する場合における当該株主総会
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全体要旨
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