刑法 第426問
教材: 刑法③
司法試験 H18 第14問
論点: 収賄罪
問題
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【汚職の罪】に関する次の1から5までの各記述のうち,判例の立場に従って検討した場合,正しいものはどれか。
公式解答
1
正誤・解説
1 /
市役所の建築課長甲は,人事異動により同じ市役所の保健課長に転任したが,保健課長に就任した後,建築業者乙から,建築課長当時その職務に関し有利な取り計らいを受けたことの謝礼として現金30万円を収受した。甲に収賄罪(刑法197条1項前段)が成立する。
判例は、一般職務権限を異にする別の公務員職に転じた後でも、当時の職務に関する謝礼として受け取れば、職務関連性が認められ収賄罪が成立するとする。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
県知事甲は,近く施行される次期県知事選挙に立候補する決意を固めていたが,任期満了前に,土木業者乙から,再選後に知事が執行する県の公共工事の受発注に当たり有利な取り計らいをしてほしい旨の依頼を受け,その謝礼として現金100万円を収受した。甲に受託収賄罪(刑法197条1項後段)は成立しない。
判例は、任期満了前であっても再選後に行う具体的職務に関する請託を受けて賄賂を収受すれば、受託収賄罪が成立するとする。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
市長甲は,乙から,その長をする市役所の職員に採用してほしい旨の依頼を受け,これを引き受けたが,その謝礼として甲の友人丙に現金300万円を供与するように乙に要求した。乙はその要求どおり丙に300万円を供与したが,丙は賄賂であることを全く知らなかった。甲に第三者供賄罪(刑法197条の2)は成立しない。
第三者供賄罪は、第三者が賄賂であることを知っていたかどうかに左右されない。したがって、丙が賄賂性を知らなくても成立し得る。
根拠条文:刑法197条の2・e-Govで法令を開く
刑法197条の2―現行条文本文
第百九十七条の二 (第三者供賄)
公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
暴力団事件の捜査に従事していた警察官甲は,乙から,同人が所属する暴力団の捜査情報を漏えいしてほしい旨の依頼を受け,その謝礼として現金100万円を収受したが,結局,甲は乙に捜査情報を漏えいしなかった。甲に加重収賄罪(刑法197条の3第1項)が成立する。
加重収賄罪は、前2条の罪を犯したことが前提であり、単に賄賂を受けただけでは足りない。職務上不正行為または相当行為不作為が必要で、本問ではそれがない。
根拠条文:刑法197条の3第1項・e-Govで法令を開く刑法2条・e-Govで法令を開く
刑法197条の3第1項―現行条文本文
公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法2条―現行条文本文
第二条 (すべての者の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯したすべての者に適用する。
一 削除
二 第七十七条から第七十九条まで(内乱、予備及び陰謀、内乱等幇助)の罪
三 第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)、第八十七条(未遂罪)及び第八十八条(予備及び陰謀)の罪
四 第百四十八条(通貨偽造及び行使等)の罪及びその未遂罪
五 第百五十四条(詔書偽造等)、第百五十五条(公文書偽造等)、第百五十七条(公正証書原本不実記載等)、第百五十八条(偽造公文書行使等)及び公務所又は公務員によって作られるべき電磁的記録に係る第百六十一条の二(電磁的記録不正作出及び供用)の罪
六 第百六十二条(有価証券偽造等)及び第百六十三条(偽造有価証券行使等)の罪
七 第百六十三条の二から第百六十三条の五まで(支払用カード電磁的記録不正作出等、不正電磁的記録カード所持、支払用カード電磁的記録不正作出準備、未遂罪)の罪
八 第百六十四条から第百六十六条まで(御璽偽造及び不正使用等、公印偽造及び不正使用等、公記号偽造及び不正使用等)の罪並びに第百六十四条第二項、第百六十五条第二項及び第百六十六条第二項の罪の未遂罪
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5 /
市役所の職員甲は,A税務署職員乙の幼なじみであったが,A税務署管内に居住する丙に依頼され,公務員の地位を離れ単に旧友として,乙に対し,丙の所得税の過少申告を是認する取り計らいをするようにあっせんし,その謝礼として丙から現金100万円を収受した。甲にあっせん収賄罪(刑法197条の4)が成立する。
あっせん収賄罪は、少なくとも公務員としての立場で職務上のあっせん等をすることが必要で、単なる私人としての口利きでは足りない。
根拠条文:刑法197条の4・e-Govで法令を開く
刑法197条の4―現行条文本文
第百九十七条の四 (あっせん収賄)
公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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