刑法 第425問
教材: 刑法③
サンプル
論点: 収賄罪
問題
問題画像


抽出問題文を表示
【事例】
A省の職員(国家公務員)である甲は、他省であるB省の課長職(国家公務員)を併任し、法律上、同課の職員に付与されている権限に基づいて、法律違反事案に対する行政調査を担当することとなった(なお、同法律上、「同課職員は、調査により犯罪の心証を得たときは、告発する」とされていた)。
同課では、某会社の社長Xに対する法律違反事案の調査(以下「本件調査」という。)に着手し、甲の部下である同課職員Cらが、甲の指示でその調査に当たっていた。
その数日後、甲は、Xの会社の役員であるYから本件調査に手心を加えてもらいたいとの申出を受けたところ、YがA省出身であり、甲のかつての上司であったことから、甲はYの申出を承諾した。
甲は、Cらに本件調査の進みよい状況を確認したところ、Cらは、Xについて犯罪の心証を得ており、また、Cらから報告を受けて同様の心証を得た甲も、本件調査を継続して告発すべき事案であると判断した。
しかし、Yの申出を受けていた甲は、Cらの反対を押し切って、本件調査及び告発を打ち切るように指示したことから、Cらも甲の指示に従った。その結果、本件調査は中断し、Xに対する法律違反事案は不問に付されることになった。
その翌年、甲は、B省の課長職の併任を解かれてA省に復帰し、半年後、A省を退職して引き続き国立大学法人の職員(教授)に就任した。
甲が教授に就任したことを知ったYは、本件調査を打ち切ってくれたことに対する謝礼の趣旨を込めて、甲のために、高級料亭に甲及びその妻を招いた上、甲の退職及び教授就任祝いの名目で盛大な宴会を催すことにした。
甲は、Yの上記意図を承知しながらも、妻と相談の上、後に相当程度の物品券でも送り返しておけば問題ないと判断し、この宴会に夫婦一緒に出席して飲食等を楽しんでいたが、その席上、Yが、甲に対し、現金10万円入りの祝儀袋を手渡そうとしたことに立腹して受取を拒否し、宴会半ばで席を立って帰った。
公式解答
2
正誤・解説
1 /
受託収賄(刑法第197条第1項)
受託収賄は、公務員が職務に関する請託を受けて賄賂を収受する類型であるが、本件は甲が後に受けた供応等との関係で問題となる。説明ではこの類型は当てはまらないとされている。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
2 /
加重収賄(刑法第197条の3第2項)
説明画像で正解とされている。甲は当時公務員として職務上不正行為をした後、請託の趣旨を含む供応・利益供与を受けたため、加重収賄が成立すると整理されている。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く刑法197条の3第2項・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法197条の3第2項―現行条文本文
公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
3 /
事後収賄(刑法第197条の3第3項)
事後収賄は職務上適正な行為の後に賄賂を収受する場合を中心に問題となるが、本件では不正行為後の利益供与として扱われており、この類型ではないとされた。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く刑法197条の3第3項・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法197条の3第3項―現行条文本文
公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
4 /
あっせん収賄(刑法第197条の4)
あっせん収賄は公務員が他の公務員に職務上の不正行為をさせるようあっせんする類型である。本件は甲自身の調査打切りとその後の供応が問題で、あっせんではない。
根拠条文:刑法197条第1項・e-Govで法令を開く刑法197条の4・e-Govで法令を開く
刑法197条第1項―現行条文本文
公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
この場合において、請託を受けたときは、七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法197条の4―現行条文本文
第百九十七条の四 (あっせん収賄)
公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
5 /
犯罪不成立
説明画像では、供応や飲食等の利益供与が賄賂に当たり、加重収賄が成立するとしているため、不成立ではない。
根拠条文:刑法197条の3第2項・e-Govで法令を開く
刑法197条の3第2項―現行条文本文
公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
全体要旨
解説画像

自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。