刑法 第415問
教材: 刑法③
司法試験 H22 第17問
論点: 犯人蔵匿罪・証拠隠滅罪
問題
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公式解答
3
正誤・解説
1 /
甲は、殺人事件の被疑者として逮捕状が発付されている乙が犯人ではないと信じ、乙に隠れ家を提供して同人をかくまったが、その後、発見逮捕された乙が真犯人であることが明らかとなり、同人に対する有罪判決が確定した。甲は乙が犯人ではないと誤信していたので、甲に犯人蔵匿罪は成立しない。
判例は、犯人蔵匿罪は、被疑者が真犯人かどうかの認識まで不要で、逮捕状発付などにより「罪を犯した者」を匿った認識があれば足りるとしている。真犯人でないと誤信していても直ちに成立を否定できない。
根拠条文:刑法103条・e-Govで法令を開く刑法38条第1項・e-Govで法令を開く
刑法103条―現行条文本文
第百三条 (犯人蔵匿等)
罰金以上の刑に当たる罪を犯した者又は拘禁中に逃走した者を蔵匿し、又は隠避させた者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法38条第1項―現行条文本文
罪を犯す意思がない行為は、罰しない。
ただし、法律に特別の規定がある場合は、この限りでない。
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2 /
甲は、傷害事件で勾留されている乙の起訴を免れさせるために、丙に対し、乙の身代わり犯人となるように唆し、これにより丙は、警察に出頭して上記傷害事件の真犯人は自分である旨虚偽の事実を申告した。乙は既に拘束されているので、甲に犯人隠避教唆罪は成立しない。
判例は、すでに逮捕・勾留中であっても、身代わり出頭や虚偽申告により身柄拘束を免れさせる行為は「隠避」に当たるとしている。したがって、成立を否定できない。
3 /
甲は、被告人乙の刑事裁判を有利に運ぶために、同人に不利益な事実を知っている証人予定者の丙を人里離れた山中の別荘に監禁した。人的証拠も「証拠」に該当するので、甲に証拠隠滅罪が成立する。
判例は、人的証拠も証拠に含まれ、裁判所に有形無形の資料を供給する証人を働けない状態にする行為は証拠隠滅に当たるとしている。
根拠条文:刑法104条・e-Govで法令を開く
刑法104条―現行条文本文
第百四条 (証拠隠滅等)
他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
甲は、親戚乙が丙を殺害した事実を知り、その罪を免れさせようと考え、捜査機関が同事実の存在を知る前に、自殺する旨の記載のある丙名義の遺書を作成して丙の遺族に送付した。捜査機関は未だ捜査を開始していないので、甲に証拠偽造罪は成立しない。
判例は、刑法104条の刑事訴訟事件には、捜査・審判の対象となり得る段階の事件も含むとしている。捜査開始前でも、将来の刑事事件に関係する資料を作る行為は同条の対象となり得る。
根拠条文:刑法104条・e-Govで法令を開く
刑法104条―現行条文本文
第百四条 (証拠隠滅等)
他人の刑事事件に関する証拠を隠滅し、偽造し、若しくは変造し、又は偽造若しくは変造の証拠を使用した者は、三年以下の拘禁刑又は三十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
甲は、殺人事件の被疑者として警察に追われていたため、知人にその事情を打ち明けて同人所有の別荘に住まわせてくれるように依頼し、これを承諾した乙から同別荘の鍵を受け取って同別荘に身を隠した。犯人自身に逃げ隠ししないことを期待できないので、甲に犯人蔵匿教唆罪は成立しない。
判例は、犯人が他人を教唆して自己を隠避・蔵匿させた場合でも、犯人蔵匿罪の教唆犯が成立し得るとしている。自己に期待できないことを理由に教唆犯を否定しない。
根拠条文:刑法61条第1項・e-Govで法令を開く
刑法61条第1項―現行条文本文
人を教唆して犯罪を実行させた者には、正犯の刑を科する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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