刑法 第409問
教材: 刑法③
司法試験 H30 第14問
論点: 逃走の罪
問題
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公式解答
4
正誤・解説
p1 /
拘置所に未決勾留中の甲は、逃走しようと考え、房内の換気孔周辺の壁を削って損壊したものの、脱出可能な穴を開けられなかった。甲に加重逃走罪の未遂罪が成立する余地はない。
判例は、逃走の手段として拘禁場所の壁等を損壊し始めた時点で、加重逃走罪の実行の着手を認め得るとしている。脱出穴を開けられなくても未遂の余地はある。
根拠条文:刑法98条・e-Govで法令を開く刑法102条・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く
刑法98条―現行条文本文
第九十八条 (加重逃走)
前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法102条―現行条文本文
第百二条 (未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。
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刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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p2 /
確定判決によってA刑務所に収容されていた甲は、B刑務所への護送中、刑務官の隙を見て護送車から脱出し、刑務官の追跡を完全に振り切って民家の庭に隠れたが、しばらくして、付近の捜索を継続していた刑務官に発見されて護送車に連れ戻された。甲に逃走罪の既遂罪が成立する余地はない。
判例は、護送中に一時的に看守の実力支配を脱しても、その後も直ちに追跡され、逮捕・連れ戻しに至るような場合は、まだ既遂に達したとはいえないとしている。
根拠条文:刑法97条・e-Govで法令を開く
刑法97条―現行条文本文
第九十七条 (逃走)
法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
刑務官である甲は、勤務先の拘置所に未決勾留中で、自らが看守していた被告人乙を逃走させようと考え、この房の扉を解錠し、乙を同拘置所から逃走させた。甲に看守者逃走援助罪が成立する余地はない。
看守者である刑務官が、看守中の被拘禁者を逃走させる行為は、看守者逃走援助罪の対象となり得る。自ら解錠して逃走させても成立を否定できない。
根拠条文:刑法101条・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く
刑法101条―現行条文本文
第百一条 (看守者等による逃走援助)
法令により拘禁された者を看守し又は護送する者がその拘禁された者を逃走させたときは、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
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p4 /
確定判決によって刑務所に収容されていた甲は、その看守に当たっていた刑務官に対する単なる反抗として同刑務官を押し倒したところ、同刑務官が気絶したため、その際に逃走しようと思い立ち、同刑務所から逃走した。甲に加重逃走罪が成立する余地はない。
判例は、加重逃走罪では、逃走の目的をもってその手段としての暴行等に着手したときに実行の着手を認める。単なる反抗で看守を押し倒しただけでは、その時点で逃走目的に基づく暴行開始とはいえない。
根拠条文:刑法98条・e-Govで法令を開く
刑法98条―現行条文本文
第九十八条 (加重逃走)
前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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p5 /
甲は、逮捕状により警察官に逮捕された乙の身柄を奪い返そうと考え、路上において、乙を連行中の同警察官に対し、体当たりする暴行を加え、同警察官がひるんだ隙に、同所から乙を連れ去った。甲に被拘禁者奪取罪が成立する余地はない。
被拘禁者奪取罪の「奪取」は、被拘禁者を看守者の支配から離脱させれば足り、手段を問わない。乙を連行中の警察官に暴行して連れ去っている以上、成立を否定できない。
根拠条文:刑法99条・e-Govで法令を開く
刑法99条―現行条文本文
第九十九条 (被拘禁者奪取)
法令により拘禁された者を奪取した者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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