刑法 第407問
教材: 刑法③
司法試験 H21 第7問
論点: 逃走の罪
問題
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公式解答
4
正誤・解説
p1 /
甲は、確定判決によって刑務所に収容されている者であるが、A刑務所からB刑務所への護送中に護送車両から逃走した。甲に逃走罪(刑法第97条)が成立する余地はない。
刑法97条の「法令により拘禁された者」には、確定判決により刑務所に収容されている者も含まれる。護送中に車両から逃走した場合でも逃走罪の成立が肯定される。
根拠条文:刑法97条・e-Govで法令を開く
刑法97条―現行条文本文
第九十七条 (逃走)
法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、勾留状によって拘置所に勾留されている者であるが、拘置所職員のすきを見て拘置所から逃走した。甲に逃走罪が成立する余地はない。
勾留状によって拘置所に勾留されている者は、刑法97条の「法令により拘禁された者」に当たる。したがって、逃走すれば逃走罪が成立し得る。
根拠条文:刑法97条・e-Govで法令を開く
刑法97条―現行条文本文
第九十七条 (逃走)
法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、確定判決によって刑務所に収容されている者であるが、刑務官のすきを見て刑務所の敷地外に脱出し、刑務官の追跡を振り切って民家の庭に隠れたものの、しばらくして、付近の捜索を継続していた刑務官に発見され拘束された。甲に逃走罪の既遂罪が成立する余地はない。
逃走罪は、看守者の実力支配を脱して既遂となる。敷地外へ出ただけでなく、追跡を振り切って一時的に実力支配を離脱したなら、既遂が認められる余地がある。
根拠条文:刑法97条・e-Govで法令を開く
刑法97条―現行条文本文
第九十七条 (逃走)
法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、確定判決によって刑務所に収容されている者であるが、刑務所に面会に来た友人乙に逃走用の開鍵用具を差し入れるように依頼し、乙から差し入れを受けた開鍵用具を使い、鍵を損壊せずに開けた上、刑務所から逃走した。甲及び乙に加重逃走罪(刑法第98条)が成立する余地はない。
刑法98条は「前条に規定する者」が拘禁器具を損壊して逃走した場合などをいう。鍵を損壊せずに開けただけでは「損壊」に当たらず、また友人乙が本罪の主体となる共同正犯関係にもならない。
根拠条文:刑法98条・e-Govで法令を開く刑法3条・e-Govで法令を開く
刑法98条―現行条文本文
第九十八条 (加重逃走)
前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
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刑法3条―現行条文本文
第三条 (国民の国外犯)
この法律は、日本国外において次に掲げる罪を犯した日本国民に適用する。
一 第百八条(現住建造物等放火)及び第百九条第一項(非現住建造物等放火)の罪、これらの規定の例により処断すべき罪並びにこれらの罪の未遂罪
二 第百十九条(現住建造物等浸害)の罪
三 第百五十九条から第百六十一条まで(私文書偽造等、虚偽診断書等作成、偽造私文書等行使)及び前条第五号に規定する電磁的記録以外の電磁的記録に係る第百六十一条の二の罪
四 第百六十七条(私印偽造及び不正使用等)の罪及び同条第二項の罪の未遂罪
五 第百七十六条、第百七十七条及び第百七十九条から第百八十一条まで(不同意わいせつ、不同意性交等、監護者わいせつ及び監護者性交等、未遂罪、不同意わいせつ等致死傷)並びに第百八十四条(重婚)の罪
六 第百九十八条(贈賄)の罪
七 第百九十九条(殺人)の罪及びその未遂罪
八 第二百四条(傷害)及び第二百五条(傷害致死)の罪
九 第二百十四条から第二百十六条まで(業務上堕胎及び同致死傷、不同意堕胎、不同意堕胎致死傷)の罪
十 第二百十八条(保護責任者遺棄等)の罪及び同条の罪に係る第二百十九条(遺棄等致死傷)の罪
十一 第二百二十条(逮捕及び監禁)及び第二百二十一条(逮捕等致死傷)の罪
十二 第二百二十四条から第二百二十八条まで(未成年者略取及び誘拐、営利目的等略取及び誘拐、身の代金目的略取等、所在国外移送目的略取及び誘拐、人身売買、被略取者等所在国外移送、被略取者引渡し等、未遂罪)の罪
十三 第二百三十条(名誉毀損)の罪
十四 第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第二百三十八条から第二百四十条まで(事後強盗、昏こん酔強盗、強盗致死傷)、第二百四十一条第一項及び第三項(強盗・不同意性交等及び同致死)並びに第二百四十三条(未遂罪)の罪
十五 第二百四十六条から第二百五十条まで(詐欺、電子計算機使用詐欺、背任、準詐欺、恐喝、未遂罪)の罪
十六 第二百五十三条(業務上横領)の罪
十七 第二百五十六条第二項(盗品譲受け等)の罪
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
甲は、確定判決によって刑務所に収容されている者であるが、刑務所に面会に来た友人乙に甲を逃走させるために開錠用具を隠した衣類を甲に差し入れるように依頼し、乙はこれを差し入れた。ところが、甲は、乙が差し入れた開錠用具を使用せずに同刑務所から逃走した。乙に逃走援助罪(刑法第100条)が成立する余地はない。
逃走援助罪は、器具を提供して逃走を容易にすべき行為があれば足り、被拘禁者が実際にその器具を使ったことまでは要しない。差し入れ自体で成立し得る。
根拠条文:刑法100条第1項・e-Govで法令を開く
刑法100条第1項―現行条文本文
法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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