刑法 第390問
教材: 刑法③
司法試験 H29 第4問
論点: 各種偽造
問題
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公式解答
正解 / 1 / 4
正誤・解説
1 /
甲は、他人の自動車運転免許証に甲の写真を貼り付けた偽造自動車運転免許証を入手し、これを携帯して自動車を運転中に検問で停止を求められ、情を知らない警察官に同免許証を真正に成立したものとして提示した。提示した時には同免許証に表示されている有効期間が経過していたとしても、甲には偽造公文書行使罪が成立する。
解説で○。有効期間が経過していても、提示当時に公文書として外観を備えた偽造免許証を真正なものとして示せば、偽造公文書行使に当たるとされている。
根拠条文:刑法155条第1項・e-Govで法令を開く刑法158条第1項・e-Govで法令を開く
刑法155条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
一 公務所若しくは公務員の印章若しくは署名(以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において「印章等」という。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書若しくは図画(以下この章において「文書等」という。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき文書等を偽造する行為
二 公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等(印章等として表示されることとなる電磁的記録をいう。以下この章、第百六十五条及び第百六十七条において同じ。)を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等(文書等として表示されて行使されることとなる電磁的記録をいう。以下この章において同じ。)を偽造し、又は偽造した公務所若しくは公務員の電磁的記録印章等を使用して公務所若しくは公務員の作成すべき電磁的記録文書等を偽造する行為
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刑法158条第1項―現行条文本文
第百五十四条から前条までの文書等若しくは電磁的記録文書等を行使し、同条第一項の電磁的記録を公正証書の原本としての用に供し、又は同条第二項の電磁的記録を人の事務処理の用に供した者は、その文書等若しくは電磁的記録文書等を偽造し、若しくは変造し、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は不実の記載若しくは記録をさせた者と同一の刑に処する。
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2 /
公務員でない甲は、情を知らない公務員に対し虚偽の申立てをして登記簿に不実の記載をさせ、その登記簿謄本の交付を受けた。甲には虚偽公文書作成罪の間接正犯が成立する。
解説で×。公務員でない者が虚偽の申立てをして不実記載を生じさせる場合、原則として157条の問題であり、156条の間接正犯には当たらないと整理されている。
根拠条文:刑法156条・e-Govで法令を開く刑法157条第1項・e-Govで法令を開く
刑法156条―現行条文本文
第百五十六条 (虚偽公文書作成等)
公務員が、その職務に関し、行使の目的で、虚偽の文書等若しくは電磁的記録文書等を作成し、又は文書等若しくは電磁的記録文書等を変造したときは、印章等又は電磁的記録印章等の有無により区別して、前二条の例による。
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刑法157条第1項―現行条文本文
公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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3 /
甲は、情を知らずに釣銭として偽造通貨を受け取ったところ、その後、それが偽造通貨であることに気付いたが、行使の目的でそのまま所持した。甲には偽造通貨収得罪が成立する。
解説で×。150条は「行使の目的で」偽造・変造の貨幣などを取得した場合を処罰するので、取得時に事情を知らず、後で気付いてそのまま所持しただけでは成立しない。
根拠条文:刑法150条・e-Govで法令を開く刑法152条・e-Govで法令を開く
刑法150条―現行条文本文
第百五十条 (偽造通貨等収得)
行使の目的で、偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を収得した者は、三年以下の拘禁刑に処する。
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刑法152条―現行条文本文
第百五十二条 (収得後知情行使等)
貨幣、紙幣又は銀行券を収得した後に、それが偽造又は変造のものであることを知って、これを行使し、又は行使の目的で人に交付した者は、その額面価格の三倍以下の罰金又は科料に処する。
ただし、二千円以下にすることはできない。
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4 /
甲は、行使の目的で、他人が振り出した額面10万円の小切手の金額欄に「0」を加え、額面100万円の小切手に改ざんした。甲には有価証券変造罪が成立する。
解説で○。小切手の金額欄の数字を改ざんする行為は、有価証券変造罪に当たると判例が示している。
根拠条文:刑法162条第1項・e-Govで法令を開く
刑法162条第1項―現行条文本文
行使の目的で、公債証書、官庁の証券、会社の株券その他の有価証券を偽造し、又は変造した者は、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
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5 /
弁護士資格のない甲は、X弁護士会に実在する自己と同姓同名の弁護士を装い、これを信じた乙から依頼を受けて弁護士としての業務を行った後、乙から報酬を得るために、「X弁護士会所属 弁護士甲」名義の弁護士報酬金請求書を作成した。甲には私文書偽造罪が成立しない。
解説で×。表示された名義人と作成者の人格の同一性が問題となるが、実在する同姓同名の弁護士とは別人であり、弁護士資格のない者がその名義で作成した以上、私文書偽造罪が成立するとされる。
根拠条文:刑法159条第1項・e-Govで法令を開く
刑法159条第1項―現行条文本文
行使の目的で、次の各号に掲げるいずれかの行為をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
一 他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造し、又は偽造した他人の印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する文書等を偽造する行為
二 他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造し、又は偽造した他人の電磁的記録印章等を使用して権利、義務若しくは事実証明に関する電磁的記録文書等を偽造する行為
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全体要旨
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