刑法 第351問
教材: 刑法③
司法試験 H28 第16問
論点: 財産罪の成否
問題
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公式解答
1
正誤・解説
p1 /
甲は、警察官から職務質問をされそうになったのでその場から急いで立ち去ろうと考え、たまたま路上に駐車されていた他人所有の自動車に乗り込み、適当な場所で乗り捨てるつもりで、同自動車を運転しその場から走り去った。この場合、甲には、不法領得の意思が認められ、窃盗罪が成立する。
判例は、不法領得の意思に永続的な経済的利益の意思までは要せず、一時的でも他人財物を自己の支配下に置いて利用・処分する意思があれば足りるとしている。本肢はその趣旨に合う。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、タクシーの売上金を奪おうと考えて、乗客を装ってタクシーに乗り込み、行き先を指定して人気のない場所に誘導した上、同所で、乗車料金を請求してきた運転手の首元に鋭利なガラス片を突き付けて売上金を渡すよう要求したが、同運転手から抵抗されて売上金を手に入れることができず、そのままその場から立ち去った。この場合、甲には強盗未遂のみが成立する。
判例は、行為が強盗の実行行為に当たるだけでなく、財産上不法の利益を得る2項強盗の未遂も成立しうるとする。本肢は1項強盗未遂のみとしており、判例の立場と異なる。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法236条第2項・e-Govで法令を開く刑法243条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法236条第2項―現行条文本文
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
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刑法243条―現行条文本文
第二百四十三条 (未遂罪)
第二百三十五条から第二百三十六条まで、第二百三十八条から第二百四十条まで及び第二百四十一条第三項の罪の未遂は、罰する。
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p3 /
甲は、視力回復の効果が全くない飲料について、その効果が絶大で入手困難なものと偽って、信じた客にこれを販売し、その代金として現金の交付を受けたが、その販売価格は適正、妥当なものであった。この場合、甲には詐欺罪は成立しない。
判例は、商品の効能など重要な事項について真実に反する説明で相手方を誤信させ、金員を交付させれば、価格相当の商品を提供しても詐欺罪が成立しうるとしている。本肢は成立しないとしており誤り。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、乙がその同居の親族から盗んできたカメラを、盗品であると知りながらこれから購入した。この場合、乙は、窃盗罪についての刑が免除されることから、甲には盗品等有償譲受け罪は成立しない。
窃盗の同居親族犯に刑の免除がある場合でも、盗品性を知って有償で譲り受ければ盗品等有償譲受け罪は成立する。親族免除は正犯者側の処遇であり、買受人の犯罪成立を当然に左右しない。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法244条第1項・e-Govで法令を開く刑法256条第2項・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法244条第1項―現行条文本文
配偶者、直系血族又は同居の親族との間で第二百三十五条の罪、第二百三十五条の二の罪又はこれらの罪の未遂罪を犯した者は、その刑を免除する。
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刑法256条第2項―現行条文本文
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
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p5 /
甲は、乙所有の土地について、価格が暴落すると偽って、これを信じた乙との間で、時価の半額で同土地を買い受ける旨の売買契約を締結した。この場合、その売買契約が成立したとのみをもって、甲には詐欺既遂罪が成立する。
判例は、不動産の詐欺では、売買契約の成立だけでは足りず、意思表示による権利移転で財産的損害が生じたといえる段階が必要とする。本肢は契約成立のみで既遂とするので誤り。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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