刑法 第350問
教材: 刑法③
司法試験 H24 第6問
論点: 詐欺罪、恐喝罪
問題
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公式解答
2. アエオ
正誤・解説
p1 /
甲は、交通事故を装い保険会社から保険金をだまし取ろうと企て、自己の運転する自動車を道路脇の電柱に衝突させて自ら怪我をした。この場合、甲には、自動車を電柱に衝突させた時点で、詐欺未遂罪が成立する。
判例は、保険金請求のために事故を偽装するなどしても、その段階では保険会社に対する詐欺の実行の着手とはいえず、原則として準備行為にとどまるとしている。
p2 /
甲は、警察官でないのに警察官を装い、窃盗犯人である乙に対し、「警察の者だが、取り調べる必要があるから差し出せ。」などと虚偽の事実を申し向けて盗品の提出を求め、これに応じなければ直ちに警察署に連行するかもしれないような態度を示したところ、乙は、逮捕されるかもしれないと畏怖した結果、甲に盗品を交付した。この場合、甲には、恐喝既遂罪が成立する。
虚偽の告知と脅迫的態度で相手を畏怖させ、畏怖に基づいて財物を交付させているため、恐喝既遂が認められる。
p3 /
甲は、無銭宿泊を企て、宿泊代金を支払う意思も能力もないのに、これらがあるように装い、民宿を営む乙に対し、宿泊を申し込んだところ、乙は、他の民宿から甲が無銭宿泊の常習者であることを聞いていたため、甲に宿泊代金支払の意思も能力もないことが分かったが、甲に憐憫の情を抱き、甲を宿泊させた。この場合、甲には、詐欺未遂罪が成立するにとどまる。
相手方が欺罔により錯誤に陥ったのではなく、事情を知りながら憐憫から宿泊させているので、詐欺既遂にはならず、未遂にとどまる。
p4 /
甲は、通行中の乙から現金を喝取することを企て、これに対し、反抗を抑圧するに至らない程度の脅迫を加えたところ、乙は、甲の脅迫により畏怖し、甲がこの上着の内ポケットに手を入れて財布を抜き取ることを黙認した。この場合、甲には、恐喝未遂罪が成立するにとどまる。
被害者が畏怖して財物の移転を黙認している以上、単なる未遂ではなく、財物取得があれば既遂となる。
p5 /
甲は、偽札を作る意思がないのに、乙に対し、一緒に偽札を作ることを持ちかけた上、偽札を作る機材の購入資金にするとうそを言って資金の提供を求め、その旨信じた乙から同資金として現金の交付を受けた。この場合、甲には、詐欺未遂罪も、詐欺既遂罪も成立しない。
偽札を作る共同計画を装って資金名目で金を交付させており、資金交付という財産的処分をさせている以上、詐欺罪の成否が問題となる。未遂・既遂いずれも否定する趣旨は誤り。
全体要旨
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