刑法 第346問
教材: 刑法③
司法試験 R06 第4問
論点: 犯罪の成否
問題
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公式解答
22212
正誤・解説
p1 /
医師ではない甲は、女性Aに対し、医学的に必要とされる措置を採らず、身体に重大な傷害を生じさせかねない危険な方法で豊胸手術を行った。Aが豊胸手術に伴う身体傷害についてあらかじめ承諾していた場合、甲に傷害罪が成立することはない。
判例は、承諾があっても、身体に対する重大な損傷や生命侵害の危険がある極めて無謀・危険な行為は社会的相当性を欠き、違法性が阻却されないとする。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、自動車の転落事故を装いAを自殺させて保険金を得る目的で、極度に甲を畏怖していたAに対し、暴行・脅迫を加え、岸壁上から自動車ごと海中に転落して自殺することを執ように要求し、Aをして甲の命令に従う以外の行為を選択することができない精神状態に陥らせてA自ら岸壁上から自動車ごと海中に転落させたが、その後、Aは岸壁上に逃れて生き延びた。この場合、A自ら死亡する現実的危険性の高い行為を選んだから、甲に殺人未遂罪が成立することはない。
判例は、被害者を強度に畏怖させ、命令に従うほかない精神状態に追い込み、危険な行為をさせた場合、実行行為として殺人未遂が成立しうるとする。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く刑法203条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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刑法203条―現行条文本文
第二百三条 (未遂罪)
第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
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p3 /
甲は、4歳の実子Aから甲に殺害されることの承諾を得て、殺意をもってAを包丁で刺殺した。この場合、Aが殺害されることを承諾しているから、甲に殺人罪が成立することはない。
被害者が殺害を承諾していても、被害者の年齢・理解能力などから承諾が有効といえない場合は別であり、4歳児の承諾を前提に殺人罪が否定されるわけではない。
根拠条文:刑法199条・e-Govで法令を開く
刑法199条―現行条文本文
第百九十九条 (殺人)
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは五年以上の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、妊娠している妻Aと話し合い、その承諾を得て、薬物を使用して堕胎させた。この場合、堕胎についてAが承諾をしているから、甲に不同意堕胎罪は成立することはない。
判例・通説上、刑法215条1項は女子の嘱託や承諾がない場合を処罰対象とするので、承諾がある限り不同意堕胎罪は成立しない。
根拠条文:刑法215条第1項・e-Govで法令を開く
刑法215条第1項―現行条文本文
女子の嘱託を受けないで、又はその承諾を得ないで堕胎させた者は、六月以上七年以下の拘禁刑に処する。
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p5 /
甲は、半日以内にAに返す約束でA所有の自動車をAから借り受けたが、同車を運転するうちに、約束どおり同車をAに返すことが惜しくなり、Aに無断でそのまま10日間にわたり同車を乗り回した。この場合、甲に横領罪が成立することはない。
占有を有する他人物について、委託の趣旨に反し自己の物のように処分する意思があれば横領となりうる。短時間使用の許諾を超えて無断で長期間乗り回す事案では横領成立を肯定する判例がある。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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