刑法 第343問
教材: 刑法③
司法試験 H22 第11問
論点: 詐欺罪と横領罪
問題
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公式解答
22112
正誤・解説
p1 /
甲は、質権者乙の委託を受けて質物である高級腕時計を保管していたが、乙に無断で、これを、質権の被担保債権の債務者で同腕時計の所有者でもある丙に返した。(委託物横領罪)
質物を質権者の委託で保管中、所有者に返しても、質権侵害のため刑法247条の「委託を受けて保管中の他人の物」の横領に当たるとされる。
根拠条文:刑法247条・e-Govで法令を開く
刑法247条―現行条文本文
第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、出資金名目で金をだまし取ろうと考え、乙に対し、架空の投資案件を持ちかけたところ、乙は、甲の話が嘘であることに気付いたものの、甲が金に困っているのに同情して現金を渡した。(詐欺既遂罪)
相手が欺かれていない以上、錯誤に陥って財産的処分をしたとはいえず、詐欺既遂は成立しない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、乙社に勤務し、同社の取引先からの集金業務に従事していたところ、取引先から現金50万円を集金した後、これを自己の借金の返済に充てようと思い付き、上司に「集金の途中でひったくりに遭った。」と嘘の報告をし、50万円を同社に納めるのを免れた。(業務上横領罪)
集金した金銭を会社に納めるべき立場で自己の借金返済に流用し、虚偽報告で納付を免れた以上、占有する他人の物を横領したとして業務上横領が成立する。
根拠条文:刑法253条・e-Govで法令を開く
刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、偽札を作る意思がないのに、乙に対し、一緒に偽札を作ることを持ちかけた上、偽札を作る機材の購入資金にするとうそを言って資金の提供を求め、その旨誤信した乙から同資金として現金の交付を受けた。(詐欺既遂罪)
偽札作成の名目で金をだまし取り、相手が誤信して現金を交付したので詐欺既遂が成立する。偽造通貨作成の共同意思がなくても結論は変わらない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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p5 /
甲は、乙社の出張所に一人で勤務し、所長として同出張所の電気機器の使用・管理や光熱費の支払事務などを任されていた。甲は、毎夜、趣味の夜釣りをするため、乙社の承諾を得ずに、同出張所のコンセントに自己の集魚灯の電源コードを差し込んで電気を使用した。(業務上横領罪)
電気は刑法253条の「物」には当たらず、また横領罪の対象は財物であるため、無断使用は業務上横領にならない。
根拠条文:刑法253条・e-Govで法令を開く刑法245条・e-Govで法令を開く
刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法245条―現行条文本文
第二百四十五条 (電気)
この章の罪については、電気は、財物とみなす。
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全体要旨
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