刑法 第341問
教材: 刑法③
司法試験 H21 第17問
論点: 財産罪の成否
問題
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【事例】
甲は、自動車のレンタル業を営む乙会社との間で、「返還期日は7日後とする。料金は返還と同時に支払う。」旨の約定で自動車1台を借りる契約を交わし、甲がこの契約を履行するものと信じた乙会社従業員から自動車1台の引渡しを受けた。
公式解答
3
正誤・解説
1 /
甲は、前記契約締結の時点から既に自動車を返還期日までに返還する意思を有していなかった。この場合、返還期日が経過しなければ甲に詐欺罪は成立しない。
説明では、引渡し時に返還意思がなく、料金支払の意思もないなど、交付の基礎となる重要事実について欺く場合は、返還期日前でも詐欺罪が成立し得るとされている。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、自動車の引渡しを受けた後、返還する意思を失い、返還期日経過後数週間にわたり通勤のため同車を使用していたところ、乙会社従業員が、直ちに同車を返還するよう強く要求したのに、これを拒否して上記同様に同車を使用し続けた。甲に横領罪は成立しない。
自動車は乙会社の所有物で、甲は占有委託関係に基づき引渡しを受けている。返還要求後も使い続ける行為は、不法領得の意思に基づくものとして横領罪が成立すると説明されている。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
甲は、自動車の引渡しを受けた後、同車の返還期日になって料金を支払う意思を失い、同日の朝、乙会社従業員が気が付かないうちに、借り受けた自動車を乙会社に返還し、そのまま料金を支払わずに行方をくらました。甲に刑法上の財産犯は成立しない。
説明では、得られたのは財産上の利益にすぎず、刑法235条の窃取には当たらないため、財産犯は成立しないとされている。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
甲は、借り受けた自動車内で、同車を甲より前に借りた客の忘れ物である一万円札10枚を見付けた。甲が返還時にこれを乙会社従業員に渡そうと考え、同車から持ち出して自ら保管していたが、後日、返還の際にその10万円を自分のものにしようと考え直し、乙会社従業員に同車を返還し10万円は持ち帰った。甲に窃盗罪が成立する。
拾得時点では自己の占有物ではないことから、持ち出して保管しただけでは窃盗の不法領得意思がない。後に自己のものにしようとして持ち帰っても、その時点で占有が自己にあるため窃取に当たらないとされている。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
甲は、借り受けた自動車を運転中、ハンドル操作を誤って同車を海に転落させ、これを水没させてしまったが、そのまま放置した。甲に横領罪が成立する。
水没させた自動車をそのまま放置しても、委託の任務に背き、所有者でなければできないような処分をする意思の発現とはいえないとして、横領罪は否定されている。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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