刑法 第340問
教材: 刑法③
司法試験 H21 第1問
論点: 各種の犯罪の成否
問題
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【事例】
自動車整備を業とする甲は、同事業を行うA工場を経営し、同工場の敷地を所有していた。一方、食品製造を業とする乙は、同事業を行うB工場を経営し、同工場の敷地を所有していた。甲は、ひそかに、A工場の敷地に隣接していたB工場の敷地内の電線を分岐させてA工場に引き込み、同工場の電源として利用し、その分の電気料金の支払を免れた。そのため、乙は、A工場使用分の電気料金の支払をも余儀なくされたが、同人は電気料金の過払に気付かなかった。
また、甲は、B工場の敷地をも使用して倉庫を建築しようと考え、A工場の敷地とそれに隣接するB工場の敷地の一部にまたがって、乙に無断で鉄筋コンクリート製の倉庫を建築した。その後、甲は、乙から公図に基づいて再三抗議を受けたにもかかわらず、その都度、「その公図は間違っている。倉庫の敷地はすべて俺の土地だ。」などとうそをつき、この再三の抗議を無視して倉庫の使用を続けた上、「乙は、法務局の職員に賄賂を渡して虚偽の公図を作成させた。」などと記載した看板を人通りの多いA工場前の道路に面して掲げた。
公式解答
21122
正誤・解説
ア /
詐欺罪
事例の電気の不正利用では、財物交付をだます行為ではなく、詐欺罪の要件である「人を欺いて財物を交付させた」とはいえない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法245条・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法245条―現行条文本文
第二百四十五条 (電気)
この章の罪については、電気は、財物とみなす。
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イ /
窃盗罪
他人の電線を分岐して電気を自己の工場に引き込み利用した行為については、電気を財物とみて窃盗罪が成立すると整理されている。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法245条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法245条―現行条文本文
第二百四十五条 (電気)
この章の罪については、電気は、財物とみなす。
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ウ /
不動産侵奪罪
他人所有地の一部にまたがって無断で鉄筋コンクリート製倉庫を建築して占有・利用を開始しているため、他人の不動産を侵奪したものとして不動産侵奪罪が成立する。
根拠条文:刑法235条第2項・e-Govで法令を開く
刑法235条第2項―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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エ /
横領罪
横領罪には自己の占有する他人の物であることが必要で、ここでは甲が土地を自己のものと考えて無断建築しただけで、占有の原因が委託関係に基づくとはいえない。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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オ /
信用毀損罪
看板の内容は乙の社会的評価というより公図の真正や土地所有関係に関するもので、信用毀損罪の「人の信用」を毀損したとはいえない。
根拠条文:刑法233条・e-Govで法令を開く
刑法233条―現行条文本文
第二百三十三条 (信用毀損及び業務妨害)
虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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