刑法 第329問
教材: 刑法③
司法試験 H19 第5問
論点: 盗品等に関する罪
問題
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ア〜オの各記述の正誤を判例の立場で検討し、誤っているものの組合せを選ぶ。
公式解答
2. ア エ
正誤・解説
p1 /
甲は、乙がAを欺いて、この不動産に設定していたAの抵当権の設定登記を抹消させたことを知りながら、この不動産を譲り受けた。この場合、甲には盗品等有償譲受罪が成立する。
判例は、財産上不法の利益を得るために他人を欺くなどして利益を取得させる行為は詐欺利得罪の問題であり、前提となる『財産に対する罪によって領得された物』に当たらないとしている。
根拠条文:刑法256条第2項・e-Govで法令を開く刑法246条第2項・e-Govで法令を開く
刑法256条第2項―現行条文本文
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法246条第2項―現行条文本文
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
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p2 /
甲は、購入した絵画について、購入後盗品であることを知ったが、そのまま自宅の応接間に飾り続けた。この場合、甲には盗品等保管罪は成立しない。
判例は、同項の『寄蔵』『保管』は委託を受けて本犯のために物を保管する趣旨とし、単に盗品と知って自宅に置き続けるだけでは保管に当たらないとしている。
根拠条文:刑法256条第2項・e-Govで法令を開く
刑法256条第2項―現行条文本文
前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、十年以下の拘禁刑及び五十万円以下の罰金に処する。
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p3 /
甲は、乙から、乙が盗んだ時計の処分に困り、盗んだ時計を誰かに無償で譲りたいとの相談を受け、時計を欲しがっていたAを乙に紹介した。この場合、甲が乙からあっせん料をもらったとしても、甲には盗品等有償あっせん罪は成立しない。
判例は、盗品等有償あっせん罪は、盗品等と知り、なおかつ有償処分に関する媒介を営利により行うことを要するとしている。無償譲渡の相談であれば、あっせん料があっても直ちに同罪とはいえない。
p4 /
甲は、丙が窃取して乙に売却したつぼを、これが盗品であることを知りながら、乙から購入した。この場合、丙の窃盗行為について公訴時効が成立していれば、甲には盗品等有償受財罪は成立しない。
判例は、盗品等有償受財罪は盗品等と知ってこれを買い受けることによって成立し、前の窃盗の公訴時効の成否は影響しないとしている。
p5 /
甲は、乙がAに貸与していた車を、賃貸借契約期間中であるにもかかわらず、乙が合鍵で勝手に引き上げてきてしまったものであることを知りながら、これを乙から借り受けて自己の車庫に保管した。この場合、車の所有権が乙にあったとしても甲には盗品等保管罪が成立する。
判例によれば、他人の財物を窃取したものとして扱われるかは、占有侵害と社会通念上の違法性で判断される。所有権が乙にあっても、貸与中の車を勝手に引き上げた経緯を知って保管すれば、盗品等保管罪が成立しうる。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く刑法242条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法242条―現行条文本文
第二百四十二条 (他人の占有等に係る自己の財物)
自己の財物であっても、他人が占有し、又は公務所の命令により他人が看守するものであるときは、この章の罪については、他人の財物とみなす。
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全体要旨
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