刑法 第328問
教材: 刑法③
司法試験 R05 第19問
論点: 背任罪
問題
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【判旨】 刑法第247条にいう「本人に財産上の損害を加えたとき」とは、経済的見地において本人の財産状態を評価し、被告人の行為によって、本人的財産の価値が減少したとき又は増加すべかりし価値が増加しなかったときをいうと解すべきであるところ、信用保証協会A支所長の被告人が同協会をして返済能力のないBの債務を保証させたときは、同債務がいまだ不履行の段階に至らず、したがって同協会の財産に、代位弁済による現実の損失がいまだ生じていないとしても、経済的見地においては、同協会の財産的価値は減少したものと評価されるから、同条にいう「本人に財産上の損害を加えたとき」に当たるというべきである。
公式解答
5
正誤・解説
1 /
【判旨】は、保証債務の負担を「財産上の損害」とし、背任罪を本人の全体財産に対する罪であることを否定している。
判旨は、本人財産を経済的見地から評価し、財産的価値の減少を「財産上の損害」とみる立場である。背任罪が本人の全体財産に対する罪であることを否定したものではない。
根拠条文:刑法247条・e-Govで法令を開く
刑法247条―現行条文本文
第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
【判旨】によれば、上記信用保証協会による上記保証債務の負担後、Bが偶然金銭を入手して主債務を期限内に弁済した場合に、背任罪の未遂罪の成立を認めることになる。
判旨は、保証負担時点で本人財産の価値減少を認めているため、既遂の問題となる。主債務が後に弁済されたとしても、未遂として構成する趣旨ではない。
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第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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3 /
【判旨】は、保証債務の負担が「財産上の損害」に当たるか否かを判断するに当たり、主債務者の返済能力を問わないとの判断をしたものである。
判旨は、返済能力のないBの債務を保証させた事案で、経済的見地から協会財産の価値減少を認めている。主債務者の返済能力を問題にしないという趣旨ではない。
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第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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4 /
【判旨】は、保証債務の負担をもって「財産上の損害」と認めているから、背任罪が侵害犯であることを否定している。
判旨は、保証債務の負担を経済的価値の減少として損害に当たるとしたにすぎず、背任罪が侵害犯であること自体を否定していない。
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刑法247条―現行条文本文
第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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5 /
【判旨】に対しては、どの程度の財産的価値の減少をもって「損害」というのかが明確ではないという批判が可能である。
判旨は経済的見地から財産的価値の減少を損害とするため、どの程度の減少で損害といえるかの線引きは明確でないという批判があり得る。
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刑法247条―現行条文本文
第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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全体要旨
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