刑法 第323問
教材: 刑法③
司法試験 H28 第2問
論点: 横領罪の成否
問題
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次のアからオまでの各記述を判例の立場に従って検討し、甲に横領罪が成立する場合には1を、成立しない場合には2を選びなさい。
公式解答
11112
正誤・解説
p1 /
甲は、自己が所有する不動産を乙に売却したが、乙への所有権移転登記が完了する前に、同不動産を丙に売却し、丙への所有権移転登記を完了した。
判例は、売買により所有権が買主へ移転した後も、登記上なお売主が名義人である場合、売主はその不動産を占有するものとみる。二重売買の場面では横領罪の成立を認める。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、所有権留保の約定付き割賦販売契約に基づき24回の月賦払いで、自動車販売会社から自動車を購入し、同自動車の引渡しを受けたが、3回分を支払った時点で、自己の借金の担保として、同自動車を金融業者に提供した。
判例は、所有権留保付き割賦販売で引渡しを受けた自動車を、代金完済前に第三者への担保として提供する行為につき、横領罪該当性を肯定している。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、乙から盗品を売却するよう依頼され、同盗品を丙に売却したが、その売却代金を着服した。
判例は、盗品についても、被害者が民法上その返還を請求できるかを要件とせず、占有者との関係で他人の物といえる場合には横領罪の成立を認めている。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲は、自己が所有する不動産を乙に売却したが、乙への所有権移転登記が完了する前に、丙との間で金銭消費貸借契約を締結した事実およびその担保として同不動産に係る抵当権設定契約を締結した事実がないにもかかわらず、同不動産について、丙を権利者とする不実の抵当権設定仮登記を完了した。
判例は、実体のない抵当権設定契約がなくても、不実の抵当権設定仮登記をしただけで、虚偽の担保権を設定して財産的利益を得るものとして横領罪を肯定している。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
甲は、自己が所有する不動産について、乙を権利者とする担保権を設定したが、その抵当権設定登記が完了する前に、同不動産について、丙を権利者とする抵当権を設定し、その抵当権設定登記を完了した。
判例は、先に自己の不動産に根抵当権設定後、その登記前にさらに別の根抵当権を設定して後者の登記をした行為につき、背任罪を構成するとしている。横領罪ではない。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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全体要旨
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