刑法 第320問
教材: 刑法③
司法試験 H20 第18問(改)
論点: 横領罪の成否
問題
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公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
p1 /
甲が、乙から貸借している同人所有の貴重品について、その売却代金を自己の借金の返済に充てるつもりで乙に無断で丙にその買取りを求めた場合、甲の行為は不法領得の意思が外部的に発現したといえるから、丙が買受けの意思表示をしなくても甲には横領罪が成立する。
判例は、委託物について不法に処分しようとする行為が外部に現れれば、不法領得の意思の発現として足り、相手方の受領意思表示までは要しないとしている。
根拠条文:刑法252条第1項・e-Govで法令を開く
刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲が、自己が所有し、登記簿上も自己が所有権者となっている土地を乙に売却し、その売買代金の受領を終え、当該土地の所有権が乙に移転した後、乙がその移転登記を完了する前に、甲が、事情を知った丙に当該土地を売却し、丙がその移転登記を完了した場合には、丙が当該土地の所有権の取得を乙に対抗できるか否かにかかわらず、甲には横領罪が成立する。
判例は、真の所有者である甲がいったん乙へ有効に所有権を移転した後、さらに丙へ処分した場合、自己物であっても横領罪の成立を肯定している。
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刑法252条第1項―現行条文本文
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、17歳の乙と同人所有の絵画の売買契約を締結し当該絵画の引渡しを受けたが、乙が親権者の同意がないことを理由に同契約を取り消した。甲はこれを知りながら、乙に無断で当該絵画を丙に売却して丙に引き渡した場合、甲乙間の売買契約が初めから無効であったものとみなされるため、甲と乙との間に委託信任関係は存在しないこととなるから、甲には横領罪は成立しない。
未成年者による取消しで売買が遡及的に無効となっても、引渡し後に原所有者に復帰した物を無断処分すれば、委託信任関係を前提とした横領が成立し得る。
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自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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p4 /
甲が、不法占有中の自宅に誤って配達された他人あての贈答品の高級食材を食べてしまった場合、甲の当該食材に対する占有は委託信任関係に基づくものではないので、甲には横領罪は成立しない。
郵便物等の差出人の占有が保たれ、受取人側が保管する関係にある場合には、これを領得する行為が横領罪に当たるとする判例がある。
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p5 /
甲が、自己が所有し、登記簿上も自己が所有権者となっている土地を乙に売却し、その売買代金の受領を終え、当該土地の所有権が乙に移転した後、乙がその移転登記を完了する前に、甲が、当該土地に自己を債務者とし丙を抵当権者とする抵当権を設定し、その設定登記を完了したとしても、抵当権が実行されない限り当該土地に関する乙の所有権は影響を受けないから、甲には横領罪は成立しない。
判例は、所有権移転後に売主が第三者のために抵当権を設定し自己名義の登記を利用して処分した場合、乙の所有権を侵害するものとして横領罪を肯定している。
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自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の拘禁刑に処する。
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