刑法 第319問
教材: 刑法③
司法試験 R06 第6問
論点: 横領罪と背任罪
問題
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公式解答
4 / 5
正誤・解説
1 /
甲は、同居している友人Aと一緒に旅行費用として現金を積み立て、同現金を自宅の金庫に入れてAと共に保管していたが、Aに無断で同現金を全て取り出し、自宅の借金の返済に充てた。この場合、甲に上記現金の占有が認められるから、甲にはAに対する横領罪が成立する。
共同占有の現金を無断で自己単独の占有に移しても、直ちに横領罪の「自己の占有する他人の物」とはいえない。判例は、共同占有者が自己単独の占有に移す行為は窃盗として処理している。
根拠条文:刑法255条・e-Govで法令を開く
刑法255条―現行条文本文
第二百五十五条 (準用)
第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、配偶者Aから、その友人であるB所有の刀剣の保管を委託され、同刀剣を保管していたが、A及びBに無断で、同刀剣をCに売却した。この場合、甲には委託者であるAに対する横領罪が成立するが、甲はAの配偶者であるから、刑が免除される。
横領罪の客体が親族・家族の委託に基づく場合、刑法255条により244条が準用されるが、所有者が親族や家族に該当しないときは免除規定は及ばない。したがって、配偶者Aに対する免除を当然にはいえない。
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刑法255条―現行条文本文
第二百五十五条 (準用)
第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
A社の代表取締役である甲は、A社が有する債権をB組合に譲渡したが、同債権の債務者Cに対する債権譲渡の通知をする前に、Cから当該債務の弁済として現金を受領し、同現金をB組合に無断で自己のために費消した。この場合、上記通知がされていないから、甲にはB組合に対する横領罪は成立しない。
債権譲渡通知前でも、債務者から受領した弁済金を譲受人に渡さず自己費消すれば、判例上、横領罪が成立し得る。通知の有無だけで成立を否定できない。
根拠条文:刑法255条・e-Govで法令を開く
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第二百五十五条 (準用)
第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
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4 /
甲は、自己が所有する土地について、Aを権利者とする抵当権を設定したが、その旨の登記が完了する前に、同土地について、Aに無断で、Bを権利者とする抵当権を設定し、その旨の登記をした。この場合、甲は、抵当権設定登記を完了するまでは、抵当権の登記手続に協力する任務を有するから、甲にはAに対する背任罪が成立する。
先にAのため抵当権を設定した以上、まだ登記未了の段階でこれに反してBのために重ねて抵当権設定登記をすることは、先順位者に対する背任となるとする判例の立場に合致する。
根拠条文:刑法255条・e-Govで法令を開く
刑法255条―現行条文本文
第二百五十五条 (準用)
第二百四十四条の規定は、この章の罪について準用する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
A村の村長である甲は、A村に住む給与所得者の利益を図る目的で、同給与所得者に対する村民税の徴収につき、A村の条例に何ら規定がなく法令上の根拠がないのに、同給与所得者の収入金額に対し一律に過少に税額を算定して徴収した。この場合、上記給与所得者の利益を図る目的であったとしても、甲にはA村に対する背任罪が成立する。
村税徴収で、条例・法令の根拠なく過少課税して過少徴収することは、村長の任務に違背する行為とされ、利益図る目的でも背任罪の成立を妨げない。
根拠条文:「村長が、…村税の賦課に際し、村条例の規定にしたがうべき課税総所得金額の算定をせず…過少賦課したうえ、同額の過少徴収をすることは、法令上許されず、村長の任務に違背する行為である」・e-Govを開く
全体要旨
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