刑法 第317問
教材: 刑法③
司法試験 H29 第16問
論点: 不法原因給付と横領
問題
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【見解】
横領罪の目的物は、犯人が占有する他人の物であり、物の給付者において民法上その返還を請求できるものであることを要しないので、不法な目的で金銭を委託した場合、委託者に返還請求権が認められなくても、受託者がこれを領得する行為には、横領罪が成立する。
公式解答
5. ウ オ
正誤・解説
p1 /
この【見解】に対しては、民法第708条にいう「給付」に「委託」は含まれないとする立場を前提としなければならず、妥当でないとの批判ができる。
【見解】は、民法708条の「給付」に「委託」を含める立場を前提にしても横領罪の成立を認めるものではないため、この批判は当たらないと説明されている。
根拠条文:民法708条・e-Govで法令を開く
民法708条―現行条文本文
第七百八条 (不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。
ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
この【見解】は、使途を定めて委託された金銭の所有権は受託者に移転しないとする立場と明らかに矛盾するものである。
【見解】は、委託金の所有権が受託者に移転しないとしても、受託者がその金銭を領得する行為に横領罪が成立し得るとしており、矛盾しないとされている。
p3 /
この【見解】に対しては、受託者が民法第708条に基づいて委託者からの返還請求を拒む行為にも横領罪が成立することになりかねず、妥当でないとの批判ができる。
この【見解】は、民法708条に基づく返還請求を拒むだけでも横領罪が成立し得ると読むと妥当でないが、説明ではそのような批判が可能とされている。
根拠条文:民法708条・e-Govで法令を開く
民法708条―現行条文本文
第七百八条 (不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。
ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
この【見解】は、横領罪の保護法益が所有権であることを重視し、委託信任関係の破壊という点を全く考慮していない。
説明では、【見解】は所有権侵害の点だけでなく、委託信任関係の破壊という点も考慮しているとされ、この記述は誤り。
p5 /
この【見解】に対しては、不法原因給付の目的物の所有権は、給付者において給付した物の返還を請求できないことの反射的効果として、受給者に帰属するに至ると解すべきであるとする立場を前提とすると、横領罪にいう「他人の物」を取得したわけではないのに受託者に横領罪の成立を認めることになり、妥当でないとの批判ができる。
不法原因給付の所有権が受給者に帰属するとみる立場を前提にすると、受託者は「他人の物」を取得していないのに横領罪を認めることになり、【見解】への批判が可能とされている。
根拠条文:民法708条・e-Govで法令を開く
民法708条―現行条文本文
第七百八条 (不法原因給付)
不法な原因のために給付をした者は、その給付したものの返還を請求することができない。
ただし、不法な原因が受益者についてのみ存したときは、この限りでない。
民法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:46)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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