刑法 第313問
教材: 刑法③
司法試験 R01 第16問
論点: 詐欺罪と他罪の成否
問題
問題画像

抽出問題文を表示
【記述】
ア.他人のためにその事務を処理する者が、任務に背いて、その他人を欺く行為をし、同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。
イ.他人を恐喝するに際して、脅迫文言の中に虚偽の部分があり、それも同人に畏怖の念を生じさせる一材料となって、その畏怖の結果として、同人に財物を交付させた。
ウ.新聞販売店から集金業務を委託されている集金員が、集金した購読料を同店に持ち帰らずに自己の用途に費消するつもりであるのに、これを秘して、正規の手続や方式に従って購読者から購読料を集金し、自己の遊興費に費消した。
エ.保険金を詐取する目的で、火災保険の付された自己所有の家屋に放火した。
オ.他人に売買代金として偽造通貨を行使し、同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。
【結論】
I.詐欺罪のみが成立し得る。
II.詐欺罪と他の罪の双方が成立し得る。
III.詐欺罪は成立しない。
公式解答
3. イⅢ-エⅢ
正誤・解説
A /
他人のためにその事務を処理する者が、任務に背いて、その他人を欺く行為をし、同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。
委託関係を前提とする事務処理者が任務違背の欺罔行為をして財物交付を得た場合、判例は詐欺罪を認めつつ、任務違背による背任罪も成立し得るとしている。
根拠条文:刑法247条・e-Govで法令を開く
刑法247条―現行条文本文
第二百四十七条 (背任)
他人のためにその事務を処理する者が、自己若しくは第三者の利益を図り又は本人に損害を加える目的で、その任務に背く行為をし、本人に財産上の損害を加えたときは、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
B /
他人を恐喝するに際して、脅迫文言の中に虚偽の部分があり、それも同人に畏怖の念を生じさせる一材料となって、その畏怖の結果として、同人に財物を交付させた。
脅迫文言中に虚偽の部分があっても、それが畏怖を生じさせる一材料にとどまるなら、全体として恐喝罪が成立し得るとされる。詐欺罪ではない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法250条・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く刑法249条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法250条―現行条文本文
第二百五十条 (未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
刑法249条第1項―現行条文本文
人を恐喝して財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
C /
新聞販売店から集金業務を委託されている集金員が、集金した購読料を同店に持ち帰らずに自己の用途に費消するつもりであるのに、これを秘して、正規の手続や方式に従って購読者から購読料を集金し、自己の遊興費に費消した。
集金名目で金員を受け取っても、右集金行為が特段詐欺罪の欺罔行為に当たるとはいえず、業務上横領罪の問題となる。詐欺罪は成立しない。
根拠条文:刑法253条・e-Govで法令を開く
刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
D /
保険金を詐取する目的で、火災保険の付された自己所有の家屋に放火した。
放火行為は保険金詐取の準備行為にとどまり、未だ詐欺の着手とはいえないとされる。したがって詐欺罪は成立しない。
E /
他人に売買代金として偽造通貨を行使し、同人を錯誤に陥らせて財物を交付させた。
偽造通貨行使は偽造通貨行使罪等の構成要件に含まれ、財物取得のための行為として別に詐欺罪を構成しないとされる。詐欺罪は成立しない。
根拠条文:刑法148条第2項・e-Govで法令を開く
刑法148条第2項―現行条文本文
偽造又は変造の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者も、前項と同様とする。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
全体要旨
解説画像


自己評価
問題時間・解説時間は、 別ページへ移動した時点で確定します。
学習メモ
入力中の内容はこの端末へ自動的に下書き保存されます。 「メモを保存」を押すと改訂履歴へ追加し、 ログイン中はSupabaseへ同期します。
メモの保存履歴
過去版を編集欄へ復元しただけでは下書きです。 「メモを保存」を押すと新しい版として保存されます。