刑法 第303問
教材: 刑法③
司法試験 H20 第20問
論点: 詐欺罪一般
問題
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公式解答
5
正誤・解説
1 /
甲は、盗んだ銀行キャッシュカードを現金自動預払機に挿入して現金を払い戻し、これを手に入れた。この場合、甲は人を欺いていないから、甲に詐欺罪は成立しないから、甲の事務処理に使用する電子計算機に不正な指令を与えて財産権の得喪・変更に係る不実の電磁的記録を作り、財産上の利益を得たといえるから、甲に電子計算機使用詐欺が成立する。
判例は、盗難カードをATMに挿入して現金を取得しても、「虚偽の情報又は不正な指令」を与えたとはいえず、電子計算機使用詐欺は成立しないとしている。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法246条第2項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法246条第2項―現行条文本文
前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
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2 /
甲は、乙所有の土地を甲が乙から買い受けた事実がないのに、登記申請に必要な書類を偽造して登記官に提出し、当該土地につき乙から甲への所有権移転登記をさせた。この場合、不動産の占有が甲に移ったといえるから、甲に詐欺罪が成立する。
不動産の所有権移転登記それ自体で、被害者からの「占有」が移転したとはいえない。したがって、この記述は判例の立場に反する。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く刑法157条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法157条第1項―現行条文本文
公務員に対し虚偽の申立てをして、登記簿、戸籍簿その他の権利若しくは義務に関する公正証書の原本に不実の記載をさせ、又は権利若しくは義務に関する公正証書の原本として用いられる電磁的記録に不実の記録をさせた者は、五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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3 /
甲は、架空人である乙名義でX銀行Y支店に預金口座を開設しようと企て、乙に成り済まして預金口座を開設し、乙名義の預金通帳の交付を受けた。この場合、預金通帳は口座開設に伴って発行される証書にすぎないので、甲に詐欺罪は成立しない。
判例は、架空名義で口座を開設して預金通帳の交付を受ける行為につき、通帳自体が財物に当たり詐欺罪が成立するとしている。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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4 /
甲は、架空人である丙名義で預金口座を開設した上、乙に対し、「あなたの息子が交通事故を起こし、直ちに示談のお金が必要である。」とうそを言って、自ら通帳・印鑑を所持する上記口座に乙をして現金を振り込ませた。この場合、甲は、いまだ他人名義の口座に振込みを受けたにすぎないので、甲には詐欺未遂罪が成立するにとどまる。
判例は、振込により詐欺金が口座に入金された時点で既遂に達するとしているため、未遂にとどまるとはいえない。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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5 /
甲は、生活費に窮したため、返済する意思がないのに、知人の乙に、「故郷にいる自分の父親が亡くなった。故郷に帰るお金がないので貸してほしい。」旨のうそを言って金員の借入れを申し込んだところ、乙は、そのうそを見破り、甲に返済の意思がないことを察したが、憐憫の情から、甲に現金を手渡した。この場合、乙は錯誤に陥っていないので、甲には詐欺未遂罪が成立するにとどまる。
相手方が欺罔に気づいており錯誤に陥っていない場合、詐欺既遂は成立せず、判例は詐欺未遂にとどまるとする。
根拠条文:刑法250条・e-Govで法令を開く刑法43条・e-Govで法令を開く
刑法250条―現行条文本文
第二百五十条 (未遂罪)
この章の罪の未遂は、罰する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法43条―現行条文本文
第四十三条 (未遂減免)
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。
ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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全体要旨
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