刑法 第301問
教材: 刑法③
司法試験 H30 第10問
論点: 強盗致傷罪
問題
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【見解】
A. 致傷結果は、強盗の機会に行われた行為から発生すれば足りる。
B. 致傷結果は、強盗の手段である暴行から発生する必要がある。
C. 致傷結果は、強盗の手段である暴行のほか、強盗の機会に行われた行為のうち、強盗行為とその性質上密接な関連性を有する行為から発生する必要がある。
D. 致傷結果は、強盗の手段である暴行のほか、強盗の機会に刑法第238条所定の目的で行う暴行から発生する必要がある。
【事例】
I. 甲は、自らの強盗の犯行を乙に目撃されたところ、犯行の翌日、犯行現場から約10キロメートル離れた路上において、たまたま乙に発見され、乙に捕まらないようにするため、乙の顔面を拳骨で多数回殴打し、乙に傷害を負わせた。
II. 甲は、乙から金品を強取することを丙と計画し、丙と共に乙方に侵入して乙から金品を強取したが、その直後、乙方において、丙に対する日頃の不満を解消するためだけに、丙の顔面を拳骨で多数回殴打し、丙に傷害を負わせた。
III. 甲は、乙から金品を強取することを計画し、乙方に侵入して乙に包丁を突き付けて金品を要求したが、これに乙が応じなかったため、金品強取を諦めて逃走しようとしたところ、乙から金品を強取できなかった腹いせに、乙とは別の部屋で寝ていた1歳の丙の腹部を多数回蹴り付け、丙に傷害を負わせた。
公式解答
2 / 3
正誤・解説
1 /
Aの見解によれば、事例IからIIIのいずれでも強盗致傷罪が成立する。
Aは「強盗の機会に行われた行為」から結果が生じれば足りるという立場。事例Iは犯行翌日・約10km離れた路上での暴行なので機会内といえず、IIIも金品強取を諦めて別の部屋の幼児に腹いせで傷害を負わせたもので機会内とはいえない。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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2 /
Bの見解によれば、事例IからIIIのいずれでも強盗致傷罪が成立しない。
Bは致傷結果が強盗の手段である暴行から生じることを要する立場。I・II・IIIはいずれも、傷害結果が強盗の手段たる暴行から生じたとはいえないので、強盗致傷罪は成立しない。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法238条・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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刑法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
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第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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3 /
Cの見解によれば、事例IIでは強盗致傷罪が成立しない。
Cは、強盗の手段たる暴行のほか、強盗行為と性質上密接な関連性を有する行為からの致傷を要する立場。IIの丙への暴行は、金品強取後に丙への個人的不満を晴らすためだけの行為で、強盗行為と密接な関連性がない。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く刑法238条・e-Govで法令を開く刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
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第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
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刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
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4 /
Dの見解によれば、事例Iでは強盗致傷罪が成立する。
Dは、強盗の機会に刑法238条所定の目的で行う暴行から結果が生じることを要する立場。Iは犯行翌日の別場所での暴行で、238条所定の目的で行う暴行とはいえないため、成立しない。
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刑法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
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5 /
Dの見解によれば、事例IIIでは強盗致傷罪が成立する。
Dは238条所定の目的で行う暴行に限る立場。IIIの丙への暴行は、腹いせで別室の幼児に行ったもので、金品強取の目的で行う暴行ではないから、成立しない。
根拠条文:刑法238条・e-Govで法令を開く
刑法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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