刑法 第300問
教材: 刑法③
司法試験 R03 第18問
論点: 事後強盗罪
問題
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公式解答
3
正誤・解説
p1 /
甲は、銭湯の脱衣場で窃盗をしようと考え、客の財布を手に取って在中する金額を確認中、その様子を目撃した乙から声を掛けられたため、逮捕を免れる目的で、乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えて加療約1か月間を要する傷害を負わせた。この場合、甲には、事後強盗罪及び強盗致傷罪が成立し、両罪は観念的競合となる。
判例は、事後強盗罪と強盗致傷罪は法条競合の関係に立ち、強盗致傷罪のみ成立するとする。両罪の観念的競合とはしない。
根拠条文:刑法240条・e-Govで法令を開く
刑法240条―現行条文本文
第二百四十条 (強盗致死傷)
強盗が、人を負傷させたときは無期又は六年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲は、電車内で寝ていた乙の財布を盗んで電車を降りたが、乙が目を覚まして追い掛けてきたため、逮捕を免れる目的で、乙に暴行を加えたところ、乙が転倒して重傷を負い、反抗が抑圧された状態に至った。この場合、甲の暴行の程度を問わず、甲には、強盗致傷罪が成立する。
窃盗後に追跡を免れるため暴行しても、その暴行が社会通念上、反抗を抑圧するに足りる程度でなければ強盗罪にはならない。暴行の程度は問われないとはいえない。
p3 /
甲は、留守宅に侵入して窃盗をしようと考え、金品を物色中に家人が帰ってきたら同人に反抗を抑圧するに足りる程度の脅迫を加えて逃げる意図でサバイバルナイフを携帯し、住宅街を徘徊して侵入に適した留守宅を探したが、これを発見できず、侵入を断念した。この場合、甲には、強盗予備罪が成立する。
強盗の罪を犯す目的でその予備をした場合は刑法237条の強盗予備罪となる。強盗目的には刑法238条の準強盗を目的とする場合も含まれると解される。
根拠条文:刑法237条・e-Govで法令を開く刑法238条・e-Govで法令を開く
刑法237条―現行条文本文
第二百三十七条 (強盗予備)
強盗の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法238条―現行条文本文
第二百三十八条 (事後強盗)
窃盗が、財物を得てこれを取り返されることを防ぎ、逮捕を免れ、又は罪跡を隠滅するために、暴行又は脅迫をしたときは、強盗として論ずる。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p4 /
甲は、窃盗の目的で乙宅に侵入し、金品を物色中、乙に発見されたため、この機会に乙に暴行を加えて金品を奪おうと考え、乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加え、金品を奪った。この場合、甲には、事後強盗罪が成立する。
窃盗の実行に着手したが未だ財物を奪取したといえない段階で発見され、財物奪取のため暴行・脅迫を加えた場合は、事後強盗罪ではなく居直り強盗として1項強盗罪が成立すると解される。
根拠条文:刑法236条第1項・e-Govで法令を開く
刑法236条第1項―現行条文本文
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、五年以上の有期拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
甲は、乙宅に侵入して財物を盗んだ後、誰にも発見されずに1キロメートル離れた公園へ移動して財布内の現金を確認した。しかし、甲は、その金額に満足せず再度乙宅で窃盗をしようと考え、乙宅を出た30分後に乙宅に戻り、その玄関扉を開けようとしたところ、帰宅していた乙に発見されたため、逮捕を免れる目的で、乙に反抗を抑圧するに足りる程度の暴行を加えた。この場合、甲には、事後強盗罪が成立する。
判例は、被害者等から発見・追跡されないまま一旦犯行現場を離れ、時間を置いてから戻って加えた暴行は、窃盗の機会の継続中のものとはいえず、事後強盗罪は否定するとする。
全体要旨
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