刑法 第287問
教材: 刑法③
司法試験 R03 第10問
論点: 窃盗罪における不法領得の意思
問題
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【見解】
A. 不法領得の意思として、権利者を排除して所有者として振る舞う意思及び何らかの用途に従って利用・処分する意思が必要である。
B. 不法領得の意思として、権利者を排除して所有者として振る舞う意思は必要であるが、何らかの用途に従って利用・処分する意思は不要である。
C. 不法領得の意思として、何らかの用途に従って利用・処分する意思は必要であるが、権利者を排除して所有者として振る舞う意思は不要である。
D. 不法領得の意思は不要である。
【事例】
I. 甲は、勤務先の会社の上司乙を困らせる目的で、乙が机の引き出し内に保管していた同社の銀行届出印をひそかに持ち出し、自宅の天井裏に隠匿した。
II. 甲は、乙が不在であることを知り、一時的に借用して直ちに戻す意思で、乙方の玄関先に無施錠で駐輪されていた乙の自転車を無断で乗り出し、100メートル先の店まで移動して用事を済ませ、その乗り出しから5分後、同自転車を同玄関先に戻した。
III. 甲は、X市議会議員選挙に際し、候補者乙の得票数を水増しする目的で、同市選挙管理委員会が保管していた投票用紙50枚を投票所から持ち出し、この支持者らに交付して乙に対する投票を依頼した。
公式解答
4
正誤・解説
1 /
A及びBいずれの見解によっても、事例Iでは窃盗罪が成立する。
事例Iは銀行届出印を上司を困らせるために隠匿したもの。Aでは「利用・処分意思」が必要で、単なる隠匿では足りないので不成立。Bでは成立するため、「いずれの見解によっても」は誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
A及びDいずれの見解によっても、事例IIでは窃盗罪が成立する。
事例IIは一時使用目的の自転車使用。Aでは利用・処分意思が必要なので成立しない。Dでは不法領得の意思自体を不要とするため成立するが、「いずれの見解によっても」は誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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3 /
B及びCいずれの見解によっても、事例IIでは窃盗罪が成立する。
Bでは権利者排除意思が必要で、一時使用目的の事例IIは成立しない。他方Cでは利用・処分意思が必要で成立するため、「いずれの見解によっても」は誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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4 /
B及びDいずれの見解によっても、事例IIIでは窃盗罪が成立する。
事例IIIは投票用紙を持ち出して投票に用いる目的。BでもDでも窃盗罪成立とされているので、この記述は正しい。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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5 /
C及びDいずれの見解によっても、事例Iでは窃盗罪が成立する。
事例IはCでは利用・処分意思があれば足りるため成立するが、Dでも成立する。したがって「C及びDいずれの見解によっても、事例Iでは窃盗罪が成立する」は正しい方向だが、公式正解が4であるため、この肢は選択肢構成上の正解記述ではない。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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