刑法 第286問
教材: 刑法③
司法試験 H29 第8問
論点: 不法領得の意思
問題
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公式解答
22221
正誤・解説
p1 /
甲は、町議会議員選挙に際し、特定の候補者を当選させるため、後日その候補者の氏名を記載して投票中に混入し投票数を増加させる目的で、投票所管理者の保管する同選挙の投票用紙を密かに持ち出した。この場合、甲に不法領得の意思は認められず、窃盗罪は成立しない。
判例は、投票用紙を投票増加のために持ち出す行為でも、他人の占有する物を自己のために利用しようとする意思があるとして窃盗罪を認める。よって「不法領得の意思なし」は誤り。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
A市建設部長である甲は、不正工事の発覚を恐れ自宅に隠匿する目的で、自己が業務上保管している公文書である市立小学校の設計書を市役所外に持ち出した。この場合、甲に不法領得の意思は認められず、業務上横領罪は成立しない。
公文書でも、自己の支配を排し他人の利用を妨げて一時的に自己の支配下へ置く意思があれば不法領得の意思が問題となる。設計書の持出しについて判例は業務上横領を肯定している。
根拠条文:刑法253条・e-Govで法令を開く
刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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p3 /
甲は、自宅で分解して売却できそうな部品を中古部品屋に売却する目的で、知人乙所有の自動車を乙に無断で運転してその場から走り去った。この場合、甲に不法領得の意思は認められず、窃盗罪は成立しない。
判例は、自動車を無断運転して持ち去る場合でも、一時的にでも権利者を排し自己の支配下に置く意思があれば不法領得の意思を否定しない。したがって窃盗罪は成立しうる。
根拠条文:刑法235条・e-Govで法令を開く
刑法235条―現行条文本文
第二百三十五条 (窃盗)
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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p4 /
新聞購読料の集金業務に従事する甲は、購読料として集金した現金を遊興のため全額費消して横領した後、その発覚を免れる目的で、新たに購読料として集金した現金を穴埋めに充てた。この場合、穴埋めに充てた現金について、甲に不法領得の意思は認められず、業務上横領罪は成立しない。
補填のために後の集金金を流用しても、その経済的価値を自己に利用している以上、不法領得の意思は否定されないと判例はする。よって業務上横領罪の成立を否定するのは誤り。
根拠条文:刑法253条・e-Govで法令を開く
刑法253条―現行条文本文
第二百五十三条 (業務上横領)
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p5 /
甲は、乙宛てに送達されてきた支払督促状を乙に成り済まして受領して廃棄することにより、送達が適式になされたものとして支払督促の効力を生じさせ、乙所有の財産を不正に差し押さえようと考え、郵便配達員丙を欺いて同督促状の交付を受けて廃棄した。この場合、甲に不法領得の意思は認められず、詐欺罪は成立しない。
判例は、郵便配達員を欺いて受領した支払督促正本を廃棄する行為について、外形的には受領者の利益を得る手段の一つにすぎず、財物の経済的価値の利用に当たらないとして不法領得の意思を否定した。
根拠条文:刑法246条第1項・e-Govで法令を開く
刑法246条第1項―現行条文本文
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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