刑法 第234問
教材: 刑法②
司法試験 H25 第2問(改)
論点: 監禁の罪
問題
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公式解答
3 / 5
正誤・解説
1 /
甲は、自己が経営する飲食店で住み込みの従業員として違法に働かせていたA女が逃げたことから、これを連れ戻すため、A女に対し、「お母さんが病気で入院していると連絡があった。これからその病院に連れて行くから、車に乗れ。」と嘘を言い、これを信じたA女を自己の運転する普通乗用自動車に乗車させて約12キロメートル走行した。甲に監禁罪は成立しない。
判例は、一定の区域から脱出できないようにし自由を拘束する行為を監禁とする。被害者が誤信して自ら乗車した場合でも、欺罔により自由を拘束すれば監禁に当たり得るため、監禁罪不成立とはいえない。
根拠条文:刑法220条・e-Govで法令を開く刑法221条・e-Govで法令を開く
刑法220条―現行条文本文
第二百二十条 (逮捕及び監禁)
不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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刑法221条―現行条文本文
第二百二十一条 (逮捕等致死傷)
前条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
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2 /
甲は、身の代金取得の目的で7歳の子供Aを拐取し、さらに、Aの手足をロープで縛って逃げることができないようにして自室に閉じ込め、その間にAの親に電話をかけて身の代金を要求した。甲に監禁罪は成立しない。
身の代金目的の拐取・監禁は225条1項、2項の問題であり、監禁罪が否定されるわけではない。拐取と監禁は別罪として成立し得るので、不成立とはいえない。
根拠条文:刑法225条の2・e-Govで法令を開く刑法225条第1項・e-Govで法令を開く刑法225条第2項・e-Govで法令を開く
刑法225条の2―現行条文本文
第二百二十五条の二 (身の代金目的略取等)
近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じてその財物を交付させる目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、無期又は三年以上の拘禁刑に処する。
人を略取し又は誘拐した者が近親者その他略取され又は誘拐された者の安否を憂慮する者の憂慮に乗じて、その財物を交付させ、又はこれを要求する行為をしたときも、前項と同様とする。
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刑法225条第1項―現行条文本文
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
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刑法225条第2項―現行条文本文
第二百二十五条 (営利目的等略取及び誘拐)
営利、わいせつ、結婚又は生命若しくは身体に対する加害の目的で、人を略取し、又は誘拐した者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
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3 /
甲は、知人のA女をA女宅に送るため、自己が運転する原動機付自転車の後部荷台に乗せて走行していたが、途中でA女を強制的に性交しようと考え、なおも走行を続けた。その後、甲の意図に気付いたA女が「降ろして。」と叫んだが、甲は、これを無視して、そのまま約1キロメートルの間、同車を疾走させた。甲には監禁罪が成立する。
判例は、当初は同意があっても、途中から自由を拘束する意思で走行を継続し、被害者の要求を無視して連れ回した場合には不法監禁罪を認める。自由を奪う状態が継続していれば足りる。
4 /
甲は、自己の所属する暴力団の配下組員Aに指を詰めさせることとし、嫌がるAを無理やり普通乗用自動車に乗せて組事務所に連行し、約1時間半にわたってAを監視した。その間に、組事務所内において、Aの左腕を押さえ付け、包丁でAの小指を切断した。甲には監禁致傷罪が成立する。
判例は、暴行や傷害が不法監禁中になされたとしても、その行為自体が監禁の手段でない限り、右行為は監禁罪に吸収されず別罪となるとする。よって監禁致傷罪とはならない。
5 /
甲は、通行中のA女を殴るなどして無理やり自己が運転する普通乗用自動車に乗せて同車を疾走させて連れ回そうと考え、同車を停めて運転席から降り、路上でA女に近づき、A女を同車に連れ込むために、A女の顔面を殴打して加療約2週間を要する顔面挫傷の傷害を負わせたが、A女が甲に捕まえられることなく逃げたため、A女を同車に乗せることはできなかった。甲に監禁致傷罪は成立しない。
判例上、監禁罪は自由の拘束が一定時間継続することを要する。被害者を車に乗せる前に逃走され、自由拘束に至っていない以上、監禁致傷罪は成立しない。
全体要旨
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