刑法 第233問
教材: 刑法②
予備試験 R04 第12問
論点: 遺棄罪
問題
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【見解】遺棄とは、場所的隔離を生じさせることにより、要扶助者を保護のない状態に置くことをいうところ、遺棄罪(刑法第217条)の「遺棄」は、要扶助者を移動させる行為(移置)のみに限られるが、保護責任者遺棄等罪(同法第218条)の「遺棄」は、移置のほか、置き去りのように、要扶助者の移動を伴わず、行為者自身が移動することで要扶助者との場所的隔離を生じさせる行為を含む。同罪の「不保護」は、場所的隔離を伴わずに、要扶助者の生存に必要な保護を行わないことをいう。また、同罪の「保護する責任」と不真正不作為犯における作為義務とは一致する。
公式解答
2. ア オ
正誤・解説
prop_a /
この【見解】によれば、保護責任を有しない者が置き去り行為をした場合、刑法第217条で処罰することが可能である。
217条の「遺棄」は要扶助者を移動させる行為(移置)に限られるため、保護責任を有しない者の置き去りは217条では処罰できない。
根拠条文:刑法217条・e-Govで法令を開く
刑法217条―現行条文本文
第二百十七条 (遺棄)
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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prop_i /
この【見解】に対しては、不真正不作為犯において、作為との価値性を基礎付ける要件にすぎないはずの作為義務が、加重処罰の要件である保護責任と同視されており、妥当でないとの批判が可能である。
解説は、保護責任は不真正不作為犯の作為義務と一致するとするため、作為義務と加重処罰要件である保護責任を同視しているとの批判が成り立つとする。
prop_u /
この【見解】によれば、保護責任を有する者が要扶助者から離れ、要扶助者を保護のない状況に置いた場合、刑法第218条で処罰することが可能である。
218条の「遺棄」には置き去りも含まれるので、保護責任者が要扶助者を保護のない状況に置けば218条で処罰可能とされる。
根拠条文:刑法218条・e-Govで法令を開く
刑法218条―現行条文本文
第二百十八条 (保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
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prop_e /
この【見解】に対しては、隣り合った条文で用いられている同一の文言の解釈が異なることとなり、妥当でないとの批判が可能である。
217条と218条で同じ「遺棄」を異なる意味に解することになるため、条文解釈上の不自然さを指摘する批判が可能とされる。
根拠条文:刑法217条・e-Govで法令を開く刑法218条・e-Govで法令を開く
刑法217条―現行条文本文
第二百十七条 (遺棄)
老年、幼年、身体障害又は疾病のために扶助を必要とする者を遺棄した者は、一年以下の拘禁刑に処する。
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刑法218条―現行条文本文
第二百十八条 (保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
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この【見解】によれば、保護責任を有する者の行為によって要扶助者の生命に対する危険が具体化した場合に限り、刑法第218条で処罰することが可能である。
218条は「遺棄」の意味にかかわらず、生命に対する危険の具体化がなくても処罰可能と解されるため、この限定は誤り。
根拠条文:刑法218条・e-Govで法令を開く
刑法218条―現行条文本文
第二百十八条 (保護責任者遺棄等)
老年者、幼年者、身体障害者又は病者を保護する責任のある者がこれらの者を遺棄し、又はその生存に必要な保護をしなかったときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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