刑法 第230問
教材: 刑法②
司法試験 H23 第5問
論点: 危険運転致傷罪
問題
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公式解答
正解 / 2 / 3
正誤・解説
p1 /
甲は、自動車を運転中、前方の交差点に設置された対面信号機が赤色表示に変わったのに気付かず、時速約5キロメートルで同交差点に進入したところ、歩行者用信号機の青色表示に従って前方の横断歩道上を歩行していた乙に自車を衝突させ、乙に傷害を負わせた。
信号を見落として進入しただけでは、同条7号の「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視」には当たらない。赤信号を認識しつつ無視した事情まではないため、危険運転致傷罪は成立しない。
根拠条文:同条7号・e-Govを開く
p2 /
甲は、乙を助手席に同乗させて雨の降る山道を自動車で走行中、指定最高速度が時速40キロメートルであることや、降雨のため路面が滑りやすい状況であることを認識しつつも、対向車もいなかったので事故を起こすことはないだろうと思い、時速約100キロメートルの速度で急カーブに進入したところ、後輪が滑走したために同カーブを曲がりきれず、自車を道路脇の樹木に衝突させ、乙に傷害を負わせた。
指定速度40キロ、降雨で滑りやすい山道で、時速約100キロという著しい速度で急カーブに進入している。進行制御が困難な高速で自動車を走行させたとして、同条2号に当たる。
根拠条文:同条2号・e-Govを開く
p3 /
甲は、飲酒の影響で歩行が困難な状態であることを認識しながら自動車の運転を開始し、運転開始後も自車が激しく蛇行していることを認識しながらも、運転技術に自信があったので、事故を起こすことはないだろうと思い運転を継続したところ、飲酒の影響により、自車を蛇行させて、道路の右脇を歩行していた乙に衝突させ、乙に傷害を負わせた。
飲酒により正常な運転が困難な状態であると認識しながら運転を開始・継続している。判例上、酒気の影響で正常運転困難な状態で自動車を走行させたものとして、同条1号に当たる。
根拠条文:同条1号・e-Govを開く
p4 /
甲は、交通違反を繰り返して自動車運転免許の取消処分を受けていたものの、自動車の運転経験が長く運転技術に自信があったので、事故を起こすことはないだろうと思って自動車の運転を始めたが、運転中脇見をしてハンドル操作を誤り、自車を対向車線に進出させて乙運転の対向車と衝突させ、乙に傷害を負わせた。
免許取消しや運転経験の長さだけでは、同条3号の「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」には当たらない。脇見や操作ミスはあるが、技能欠如型の危険運転とはいえない。
根拠条文:同条3号・e-Govを開く
p5 /
甲は、片側1車線の道路を自動車を運転して進行中、時速約50キロメートルで走行する乙運転の先行車を追い越すに当たり、対向車両が接近しており、追越しを完了させるには乙車の直前に進入する必要があったので、同車の通行を妨害することになるかもしれないと思いつつ、対向車線に自車を進出させて追越しを開始し、乙車の直前に自車を進入させたところ、乙が驚いてハンドルを左に切り、乙車をガードレールに衝突させ、乙に傷害を負わせた。
相手車両の直前に入り通行を妨害する危険はあるが、危険運転致傷罪の同条4号は、他人の通行を妨害する目的が必要。設問では妨害するかもしれないという認識にとどまり、目的までは認められない。
根拠条文:同条4号・e-Govを開く
全体要旨
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