刑法 第229問
教材: 刑法②
司法試験 H20 第12問
論点: 危険運転致死罪一般
問題
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次のアからオまでの各事例における甲の罪責を検討した場合,危険運転致死罪が成立するものの組合せとして正しいのは,後記1から5までのうちどれか。
公式解答
1. ア エ
正誤・解説
p1 /
甲は,自動車の運転免許を取得したことも運転経験もなく,ハンドル,ブレーキ等の運転装置を操作する初歩的な技能もなかったのに自動車を走行させたため,自車を対向車線に進入させ,対向車に衝突させて同車の運転者を死亡させた。
運転の初歩的技能がないのに自動車を走行させており,「その進行を制御する技能を有しないで自動車を走行させる行為」に当たるとして危険運転致死罪が成立するとされている。
p2 /
甲は,自動車を運転中に交通違反を犯し,パトカーに追跡されて逃走中,赤色信号に気付かずに交差点に進入したため,青色信号に従って左方道路から同交差点に進入してきた自動二輪車に自車を衝突させ,同二輪車の運転者を死亡させた。
赤色信号に気付かず交差点へ進入しただけでは,「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し」たとはいえないとして、危険運転致死罪は成立しない。
根拠条文:「赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し」・e-Govを開く
p3 /
甲は,自動車を運転中,携帯電話でメールを送信する操作に気をとられ,自車が対向車線に進入しているのに気付かずに進行したため,自車を対向車に衝突させて同車の運転者を死亡させた。
携帯電話の操作に気をとられたこと自体はあるが、法が要求する「人又は車の通行を妨害する目的」がないので、危険運転致死罪は成立しない。
p4 /
甲は,覚せい剤を使用した後,自動車の運転を開始したが,運転中,覚せい剤の影響により正常な運転が困難な状態になったのに,それを認識しながらあえて運転を続けたため,自車を電柱に激突させ,同乗者を死亡させた。
覚せい剤の影響で正常な運転が困難な状態であることを認識しつつ運転を継続しているため、「薬物の影響により正常な運転が困難な状態で自動車を走行させる行為」に当たり、危険運転致死罪が成立する。
p5 /
甲は,自動車を運転中,長距離運転の過労から眠気を覚えたにもかかわらず,その状態のままあえて運転を続けたため,運転中に眠り込んでしまい,自車を道路左前方の歩道に進入させ,歩道上の歩行者に衝突させて同人を死亡させた。
長距離運転の過労による眠気だけでは、「自動車の運転に支障を及ぼすおそれがある病気」とはいえないとして、危険運転致死罪は成立しない。
全体要旨
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