刑法 第227問
教材: 刑法②
司法試験 R06 第15問
論点: 同時傷害の特例
問題
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【事例】
甲は、路上において、Vの頭部に暴行を加えた(第1暴行)。その直後、偶然その場を通り掛かった乙は、甲と共謀することなく、Vの頭部に暴行を加えた(第2暴行)。Vは、急性硬膜下血腫の傷害を負い、同傷害に基づき死亡した。第1暴行と第2暴行は、そのいずれもが上記傷害を生じさせることが可能なものであったが、同傷害がいずれの暴行によって生じたのかは不明であった。なお、第2暴行は、少なくとも上記傷害を更に悪化させたものであり、死亡との間の因果関係は肯定できる。
【会話】
学生A.この【事例】では、刑法第207条の適用の可否が問題となりますが、私は、第2暴行とVの死亡との間に因果関係が認められ、①( )ので、同条を適用することが②( )と考えます。
学生B.Aさんの見解に対しては、③( )との批判がありますね。私は、判例と同様に、第1暴行及び第2暴行がそれぞれ④( )を有するものであること及び各暴行が⑤( )といった事実関係が証明された以上、Aさんと異なり、同条を適用することが⑥( )と考えます。
公式解答
3. ② d ④ f ⑤ i
正誤・解説
p1 /
死亡させた結果について責任を負うべき者がいなくなる不都合を回避するための特例である刑法第207条を適用する前提が欠ける
第2暴行と死亡の因果関係が認められるだけでは足りず、同条の前提として、どの暴行による傷害か不明で責任帰属の不都合を回避する必要がある、という整理が示されている。
根拠条文:刑法207条・e-Govで法令を開く
刑法207条―現行条文本文
第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
できない
判例の考え方では、共犯関係がなくても同時傷害の特例の要件を満たせば同条の適用は可能とされる。したがって、ここは「できない」ではない。
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刑法207条―現行条文本文
第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p3 /
c.暴行と実際に発生した傷害との因果関係について検討しないで、直ちに死亡との因果関係を問題にしている点で、暴行と傷害との因果関係が不明であることを要件とする刑法第207条の規定内容に反する
同時傷害の特例は、傷害の原因暴行が特定できない場合に共同実行者以外にも刑責を負わせる制度。死亡との因果関係だけを見て適用を認めるのではない、という批判が当てはまる。
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第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p4 /
上記傷害を生じさせ得る危険性
判例は、各暴行が結果発生の危険性を有することを要件としている。ここは「上記傷害を生じさせ得る危険性」が適切。
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第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p5 /
外形的には共同実行に等しいと評価できるような状況で行われた
判例は、各暴行が外形的には共同実行に等しい状況で行われたことを要件とする。共謀の有無ではなく、客観的状況が重視される。
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刑法207条―現行条文本文
第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p6 /
できる
各暴行の危険性と外形的共同実行類似の状況が証明されれば、同時傷害の特例の適用は可能とされる。よって「できる」が正しい。
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第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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全体要旨
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