刑法 第223問
教材: 刑法②
司法試験 H20 第14問
論点: 傷害罪と暴行罪
問題
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公式解答
5
正誤・解説
p1 /
甲は、丁寧に手入れがなされていたVの長髪を、同人が寝ている間に無断で切って短くした。甲には傷害罪が成立する。
判例は、毛髪を切断した行為は身体の一部への違法侵害ではあるが、直ちに健康状態の不良変更を来すものではないとして、傷害罪を否定している。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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p2 /
甲が、Vを多数回にわたって手拳で殴打したり足蹴にしたりする暴行を加え、その場を立ち去った直後、偶然通り掛かった乙が、倒れているVに対して、更に手拳で殴打したり足蹴にしたりする暴行を加えた。これらの暴行による傷害によってVは死亡したが、その死亡原因となった傷害が、甲乙いずれの暴行によって生じたものであるか判明しなかった。この場合、甲乙それぞれに傷害罪が成立するとともに、死亡については共同正犯に当たらなくても共犯の例による。
複数人の暴行が競合して傷害致死結果が生じた場合、前提となる事実関係が証明されれば、各行為者は自己の関与した暴行との因果関係を免れない限り責任を負う。設問は「共犯の例による」を当然に一般化しており不正確。
根拠条文:刑法207条・e-Govで法令を開く
刑法207条―現行条文本文
第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p3 /
甲は、傷害を負わせる意思なくVの顔面を手拳で殴打したが、甲の意に反して当該殴打によってVが傷害を負った場合、甲には傷害罪は成立しない。
傷害罪は結果犯であり、傷害の結果について故意は不要とするのが判例の立場。傷害の原因となる暴行についての故意があれば足りるため、設問は誤り。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く刑法208条・e-Govで法令を開く刑法207条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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刑法208条―現行条文本文
第二百八条 (暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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刑法207条―現行条文本文
第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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p4 /
甲は、Vに精神的ストレスを与えて精神に障害を生じさせようと考え、1か月間にわたり、1時間おきにVに無言電話をかけ続けた。Vに何ら精神の障害が生じなかった場合、甲には暴行罪が成立する。
暴行は人の身体に向けられた不法な有形力の行使をいう。無言電話の反復は通常これに当たらず、傷害結果もない以上、暴行罪は成立しないとされる。
根拠条文:刑法208条・e-Govで法令を開く
刑法208条―現行条文本文
第二百八条 (暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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p5 /
甲は、Vに下痢の症状を起こさせようと考え、腐敗した食品を食べさせたところ、Vは、これによって下痢の症状を起こしたが、数時間安静にするうちに完治した。甲には傷害罪が成立する。
軽い症状でも、人の健康状態に不良変更を加えたといえる以上、傷害に当たる。下痢が短時間で回復しても、傷害罪の成立を妨げない。
根拠条文:刑法204条・e-Govで法令を開く刑法208条・e-Govで法令を開く刑法207条・e-Govで法令を開く
刑法204条―現行条文本文
第二百四条 (傷害)
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
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第二百八条 (暴行)
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
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第二百七条 (同時傷害の特例)
二人以上で暴行を加えて人を傷害した場合において、それぞれの暴行による傷害の軽重を知ることができず、又はその傷害を生じさせた者を知ることができないときは、共同して実行した者でなくても、共犯の例による。
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全体要旨
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