刑法 第222問
教材: 刑法②
司法試験 H27 第6問
論点: 殺人罪の成否
問題
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次の1から5までの各事例における甲のVに対する罪責について、判例の立場に従って検討した場合、甲に殺人罪が成立しないものはどれか。
公式解答
3
正誤・解説
1 /
甲は、Vには自殺がどのようなものかを理解する能力がなく、しかもVが甲の命ずることには何でも服従するのを利用してVを死亡させようと考え、Vに対して、首を吊る方法を教えた上、これを実行するよう命じた。Vは、甲から命じられたとおりに、教えられた方法で自ら首を吊って窒息死した。
被害者が自殺の意味を理解できず、被告人の支配により自ら首を吊るに至った場合は、被害者の行為を利用した殺害として殺人罪が成立する。
根拠条文:刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
刑法・e-Gov法令APIから取得した現行条文(取得日時: 2026-07-26T23:14:50)
ローカル法令全文で確認 / e-Govで現行法令を確認
過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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2 /
甲は、真冬の深夜、河川堤防でVに激しい暴行を加えたところ、Vは走って逃げ出した。甲は、逃げるVを堤防際まで追い詰めれば、逃げ場を失ったVが堤防から下の川に飛び込んで溺死するかもしれないが、それでも構わないと考え、Vを堤防際まで追い詰めた。逃げ場を失ったVは、甲からの暴行を免れるため、堤防から約3メートル下の川に飛び込んで溺死した。
被告人の暴行により、被害者が追い詰められて川へ飛び込み死亡した事案では、死亡結果は暴行行為と因果的に結びつき、殺人罪が肯定される。
根拠条文:刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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3 /
甲は、Vから、包丁で腹部を突き刺して殺してほしいと依頼され、これを真意から出た依頼であると信じて包丁でVの腹部を突き刺したが、その依頼はVの冗談であって、Vの真意から出たものではなかった。Vは、甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。
殺害の承諾があるように誤信しても、その承諾が真意に基づかない場合は、被害者の同意による違法性阻却を基礎づけられず、殺人罪の成否は肯定方向に判断される。
根拠条文:刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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4 /
甲は、妻と話し合って一家心中することとし、妻と5歳になる息子Vからそれぞれ一家心中することの承諾を得た上、妻とVを殺すため、同人らの腹部を包丁で刺した。妻とVは、甲から腹部を包丁で刺されたことにより失血死した。
承諾を得た上で子を殺害した場合でも、被害者が幼少で自殺の意味を理解できないなど、自由な意思に基づく承諾といえないときは殺人罪が成立する。
根拠条文:刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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5 /
甲は、Vから心中を持ち掛けられたことを利用して、Vを死亡させようと考え、自らは死ぬ気がないのに、Vとの心中を了承した。Vは、甲の真意を知っていれば死ぬこととはなかったが、甲も一緒に死んでくれるものと誤信したまま、甲の目の前で、甲が用意した致死量の毒を飲んで中毒死した。
被害者が被告人も一緒に死ぬと誤信して自ら服毒した場合でも、被告人がその誤信を利用して死を招いたなら、被害者の承諾に基づくものとはいえず殺人罪が成立する。
根拠条文:刑法38条第2項・e-Govで法令を開く
刑法38条第2項―現行条文本文
重い罪に当たるべき行為をしたのに、行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は、その重い罪によって処断することはできない。
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過去問出題時点の旧条文と異なる場合があります。
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全体要旨
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